明電舎、業界最低床のリフト式無人搬送車(AGV)3MS-S8を開発。AGV導入によるカゴ台車の買換え・改造などの追加投資の削減に貢献
明電舎は、物流倉庫内における搬送の自動化・省人化ニーズに応えるべく、超低床リフト式無人搬送車(AGV)3MS-S8(以下本製品)を開発したことを発表した。明電舎独自の設計技術により業界最低床(自社調べ)の車高132mmを実現したことで、搬送するカゴ台車や足付架台の潜り込みの高さを気にせず対応できるため、AGV導入に合わせて行っていたカゴ台車の買換え、改造などの追加投資を抑えることが可能となる。年間200台の販売が目指される。
開発の背景
ネット通販の拡大に伴い、物流業界では宅配便の取り扱い件数が増加している。各地で建設が相次ぐ物流倉庫では、商品の運搬に多くの労働力を投入する必要があり、また労働者の高齢化などにより搬送作業中の労働災害の発生、増加も課題となっている。
このような社会情勢のもと、自動車業界向けをはじめさまざまな製造現場へAGV納入を手掛けてきた明電舎では、従来製品より適用範囲を広げるためAGVの車高を50mm程度低くし、最大搬送質量を350kgから800kgまで向上した。本製品の開発により、既存のカゴ台車や足付架台といった搬送台車、ワークに潜り込みリフトアップして自動搬送するといった運用の自由度を大幅に広げることに成功した。
本製品の特長
①低床と高出力の両立
車高132mmの低床型ボディでありながら、最大搬送質量は従来品の350kgから大幅に向上し、800kgとなっている。
②高精度な停止性能
停止精度は±10mmで、搬送する台車の下に正確に潜り込み、安定したリフトアップを実現する。
③多数台運転・交差点制御
AGVを統括制御する制御盤を用い搬送ルートが交錯する走行箇所を一括管理。複数台でも効率的な運行が可能。
④自動充電を標準採用
待機中は専用の装置で自動充電するため、24時間稼働する物流センター等への導入でもバッテリー交換などの手間がかからない。また、AGVへバッテリー残量の自己監視機能を実装し、現場での運用状況に合わせた適切な充電が可能とされている。