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チューリング、自動運転のための国産LLM(大規模言語モデル)開発に着手

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自動運転車両の開発に取り組むTuring(チューリング)は、完全自動運転を実現するための国産LLM(Large Language Model、大規模言語モデル)開発に着手したことを2023年3月20日に発表した。

LLMと完全自動運転の関係性

近年、AI技術の進化に伴い大規模言語モデル(LLM)が注目を集めている。LLMは、大量のテキストデータから学習し、人間が書いたような自然な文章を生成したり、質問に答えたりすることができるAIモデルのこと。

完全自動運転の実現には、人間と同等以上に現実世界を理解した自動運転AIが必要だという。生成AIやChatGPTに代表されるLLMの本質は、「言語を通じて極めて高いレベルで世界を認知・理解している」こと。そのため、自動運転AIに「人間と同等以上にこの世界を理解させる」ためにはLLMのアプローチが有効だと言える。

LLMがなぜ完全自動運転に必要なのか|チューリングCEO・山本 一成氏

チューリングが開発するLLMの特徴

チューリングは、以下の3点に注目しながらLLMを開発していく。

1.現実世界への適応力

自動運転AIが状況に応じた適切な判断と行動を行うために、視覚情報や音声データなど現実世界の情報を効果的に取り込み、理解する能力を持ったマルチモーダルAIの開発を目指す。

2.リアルタイム性と計算効率

運転中は瞬時の判断が求められるため、効率的に計算し、リアルタイムで適切な判断や行動を行える技術を持つ必要がある。これには、モデルの圧縮や車載ハードウェアへの最適化などの技術が必要不可欠。

3.安全性と堅牢性

外部環境やシステムへの攻撃に対する堅牢性や、予期しない状況に適切に対応できる技術を持つ必要がある。これには、敵対的攻撃に対する耐性を持つモデルの設計や、不確実性に対処するための推論技術が求められる。

チューリングは、今後LLMの研究や技術開発を主体的に進め、自動運転のためのAI技術を継続的に発展させていくという。

基盤モデルを使ったTuringの完全自動運転戦略

チューリングについて

チューリングは、「We Overtake Tesla」をミッションにかかげ、完全⾃動運転EVの量産を⽬指すスタートアップ企業。世界で初めて名人を倒した将棋AI「Ponanza」の開発者である⼭本 ⼀成氏と、カーネギーメロン⼤学で自動運転を研究し、Ph.D.を取得した⻘⽊ 俊介氏によって2021年に共同創業。AI深層学習技術を⽤いた限定領域に留まらない「完全自動運転」の実現を目指している。

なお、シードラウンドで10億円の資金調達を実施済みであり、自社での車両生産体制構築を見据えて2023年中にシリーズAの資金調達を実施する予定。

社名:Turing株式会社(読み:チューリング、英語表記:Turing Inc.)
代表者:代表取締役 ⼭本⼀成
設⽴:2021年8⽉
資本⾦:3,000万円(2022年9⽉末現在)
事業:完全自動運転EVの開発・製造
本社:千葉県柏市若柴226番地44中央141街区1

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