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三井化学、脱炭素に向けて「大阪工場カーボンニュートラル構想」の具現化を開始

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三井化学、脱炭素に向けて「大阪工場カーボンニュートラル構想」の具現化を開始

三井化学が、グループの脱炭素を達成するために動き始めている。同社の主力工場のひとつである大阪工場(大阪府高石市)をモデルに、2030年近傍に実装可能な技術をパッケージ化した「大阪工場カーボンニュートラル構想」を策定。具現化を進めていく。

大阪工場カーボンニュートラル構想とは

1.ナフサクラッカーの燃料転換

分解炉にてナフサを約850℃で熱分解する際の燃料を、現状のメタンからクリーンアンモニアに転換し、分解炉(※1)から排出するCO2を削減。分解炉は複数基あり、全ての分解炉の燃料転換を行えば、CO2約70万トンが削減される見込み。

2.ナフサクラッカーの原料転換

現在、化学品の原料として使用している化石由来ナフサをバイオマス原料(バイオマスナフサ(※2)等)や廃プラ油化に転換。これにより、バイオマス化学品を製造すると共に、工場で排出するCO220万トンに対してマスバランス方式でバイオマス由来特性を割当て、さらにCO2排出をキャンセルすることを検討する。(※3)

CO2の利活用・貯蔵

1.ナフサクラッカーで生産する副生ガス・オイルは、用役プラント他で有効活用しているが、その際に排出されるCO270万トンを回収装置と液化装置にて、液化CO2に変換する。
2.液化CO2の一部を、コンビナート連携により利活用することを検討する(CCU)。
3.液化CO2の一部を、コンビナート連携により大規模化を図りながら、地中に貯留・圧入することを検討する(CCS)。

同社は本構想推進のため、原燃料転換、CCU、CCSに関して、堺・泉北臨海コンビナートの他社と連携を目指す。

本構想の実現には大規模な設備投資が必要になるため、適切なナフサクラッカーの生産能力、投資回収見通し等を慎重に見極め、検討を進めていくという。

大阪工場全景
大阪工場全景

※1:当該分解炉のアンモニア燃料化は、グリーンイノベーション基金によるNEDO研究開発案件として、2030年実装を目標に、丸善石油化学様、東洋エンジニアリング様、双日マシナリー様との4社で共同開発中。

ナフサ分解炉におけるアンモニア燃料実用化に向けた実証事業開始|三井化学

※2:2021年12月、日本国内ではじめてバイオマスナフサを大阪工場で導入し、バイオマス化学品の製造を開始。

三井化学大阪工場にてバイオマスナフサからのプラスチック・化学品製造開始へ|三井化学

※3:バイオマス原料の排出CO2への割当については、新たな認証方式の検討を進める。

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