OKIエンジニアリング、自動車・車載機器向けに「大型製品の高濃度オゾン試験サービス」開始
OKIエンジニアリングは6月9日より、ゴムやプラスチック、塗料、繊維などの有機材料を使用した自動車部品・車載機器のオゾン耐性評価を必要とする企業を対象とした「大型製品の高濃度オゾン試験サービス」を開始。従来のオゾン試験サービスと合わせて23年度5,000万円の売り上げを目指す。
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オゾンは自然大気中に存在する無色の気体で、強力な酸化作用を有し、屋外で使用されるゴム、プラスチック、塗料、繊維などの亀裂やひび割れを発生させる原因のひとつ。eモビリティ化により採用が増加しているLiDARセンサーやカメラを搭載した車載機器は、自動車外部の露出した箇所に設置されることが多く、オゾンに対する耐性評価が求められている。
耐性評価のための試験は従来、対象部品や機器を構成する有機材料を小さなテストピースにして行うのが一般的だったが、eモビリティ化の進展の中で、部品の大型化やセンサー、カメラなどのユニット化とともに構造の複雑化が進行。材料ごとのテストピースではなく、実際の部品をそのまま使用した試験を行いたいというニーズが増加している。また、ユーザー独自の試験条件として、オゾン濃度が高い環境下での加速試験(※1)や劣化確認の要望も増えている。
同社は、以前からテストピースを使用したオゾン試験に対応しているが、このようなニーズを受け、このたび、大型製品の試験や高濃度での試験に対応する体制を構築。新たに導入した大型オゾン試験機は、1,000mm×1,000mm×1,000mm、床耐荷重50kgの試験槽を有し、自動車用タイヤ(※2)を切断することなくそのまま試験できるという。
このサイズのオゾン試験設備を備えた受託試験所は、国内ではOKIエンジニアリングのみ(※3)。ユーザーの要望に合わせて、高濃度(最大200ppm)オゾン環境下での試験にも対応する。
上記のオゾン試験サービスに加え、実体顕微鏡やデジタルマイクロスコープでの表面観察による劣化状況の確認、走査型電子顕微鏡を用いたクラックやひび割れの状態の拡大観察など、試験後の構造や組成の変化の評価・解析にもワンストップで対応していく。
販売計画
標準価格:個別見積もり
販売目標:2023年度 5,000万円(オゾン試験サービス全体)
サービス提供開始時期:2023年6月9日
※1:加速試験…試験品を実使用環境より過酷な条件(高温、高湿、高電圧など)下に置いて、意図的に劣化を促進させて製品寿命を検証する試験。
※2:自動車用タイヤ…幅220×直径750mm程度以下のもの。これ以上のサイズは要相談とのこと。
※3:2023年6月時点。OKIエンジニアリング調べ。