ジェイテクト、4輪駆動車両の駆動系の共振抑制システム開発で愛知発明表彰を受賞

今回受賞したのは、主に前輪駆動車両をベースとした「オンデマンド4WDシステム」に搭載され、エンジンから出力される駆動力を後輪に配分する電子制御カップリング（ITCC）に関する技術。

「オンデマンド4WDシステム」では、滑りやすい路面での発進時に、前輪と後輪で駆動力が伝わる時間に差が生まれると、前輪と後輪が交互にスリップする。これにより駆動系の部品がねじれることで共振（ねじり共振）が起こり、不快な突き上げ音（ノイズ）が発生する一因となっていた。

この技術により、既存のセンサを用いて、前輪と後輪の車輪速の差の変化を基に共振の予兆を早期に検知。電子制御カップリングが後輪に配分する駆動力を最適に制限することで、駆動系の共振を防ぎノイズを抑制する。

ジェイテクトはこの発明の特許を2013年に登録済。

受賞概要

受賞者

自動車事業本部駆動CE室：
繁田良平（しげた りょうへい）プロジェクトマネージャー
自動車事業本部制御・SW技術部制御技術室：
児玉明（こだま あきら）主任
永山剛（ながやま ごう）

愛知発明表彰について

愛知県の発明奨励・振興を図ることを目的に、愛知県発明協会の独自事業として1980年度から実施。技術者・研究開発者のモチベーション向上などを目的に、毎年6月に表彰式が行われ、県内の優秀な発明者が表彰される。

特許概要

特許登録番号：特許第5282597号
発明の名称：4輪駆動車両のクラッチ装置及び4輪駆動車両の駆動力配分方法
出願日：2009年2月16日
登録日：2013年6月7日