ホンダと東レ、自動車用ナイロン6樹脂のケミカルリサイクルに関する共同実証を開始

両社は共同で開発した技術により、使用済みの自動車から回収するガラス繊維配合ナイロン6樹脂を、高圧力下で加熱した亜臨界水（※）を用いて解重合し、原料モノマー（カプロラクタム）に再生することに成功。今回の技術実証では、使用済み自動車用樹脂部品を同じ自動車用材料に再生することを目標とし、自動車用樹脂部品のケミカルリサイクル技術として、2027年頃の実用化を目指す。

同技術は、環境省が進めている脱炭素社会構築に資する資源循環システム構築の加速化を目的とした取り組み「環境省令和5年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業（うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業）（補助）」に採択されている。原料となる樹脂処理量500トン／年規模のパイロット設備の導入および実証実験を進める計画で、実証は2026年3月まで行う予定。

将来的には、衣料やフィルムなど、自動車以外の用途にも同技術の適用範囲を拡大することも視野に入れている。

※：水の臨界点（374℃、22MPa）よりもやや低い領域の高温・高圧状態の水であり、有機化合物を溶解、加水分解する等、常温常圧水とは異なる特性を有する