東大研究グループら、千葉県柏市で日本初の走行中給電の公道実証実験を開始
東京大学など11者は10月4日、柏の葉キャンパス駅を中心とした「柏の葉スマートシティ」で、電気自動車(EV)への走行中給電の公道実証実験を10月から開始することを発表した。
同取り組みは、東京大学、柏市、その他関係機関と「柏ITS推進協議会」(※)の枠組みで実施するもの。公道における走行中給電実証実験は、国内で初めてとなる。
今回の実証実験では、東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本博志教授、清水修准教授らの研究グループと、ブリヂストン、日本精工、ローム、東洋電機製造、小野測器、デンソー、三井不動産、SWCC、カーメイト、千葉大学が共同で研究・開発したシステムや技術を導入。10秒充電することで一般的なEVが1km走行できる送電コイルを搭載したナンバー取得済みの車両を使って実験を行う。
実証実験を行う走行中給電システムは、路面に埋設された送電コイルから車両に搭載された受電コイルに非接触で電力を送る仕組みになっている。路面の送電コイルは、走行中給電が可能な車両が、送電コイルの上を通過、もしくは一時停止していることを検知して送電を行う。走行中給電システムを搭載していない車両が送電コイルの上を通過しても送電は行われない。
路面上の送電コイルは常に通電をすると、送電コイルの上に車両がないときには無駄なエネルギーを使うことになる。同研究グループでは、この課題を解決するため、待機電力を小さくしながら車両検知を短時間で行う車両検知システムを開発した。このシステムを実際に公道で検証することで、走行中給電システムの標準化に貢献することを目的としている。あわせて、送電コイルと路面を一体化したプレキャストコイルの公道環境下での耐久性についても検証する。
実験は、2025年3月まで実施する予定。同実証実験の結果を反映し、さらに発展させた走行中給電システムの開発の推進と、走行中給電社会実装の早期実現を目指す。