エンジンテクノロジー超基礎講座011|ベアリングキャップ :軸モノには重要な部品「ふたつ割り」ベアリングは「半円×2」で構成
よく知られているベアリングキャップ(Bearing Cap)は、エンジンのクランクシャフトを支持するためのキャップだ。今回は、スバルの水平対向エンジン(EJ型)を例にとってベアリングキャップを解説する。【モーターファン・イラストレーテッド Vol.136より転載】
回転する軸には、その回転を滑らかに保持する軸受け(ベアリング)が必須だ。種類は多く、よく知られているのはボールベアリングだが、クランクシャフトの場合は「ふたつ割り」と呼ばれるベアリングを使う。エンジンブロック下部がそのままクランクシャフトベアリングの下半分を受け持ち、これと対になる上半分の軸受がベアリングキャップと呼ばれる。多気筒エンジンの場合は、気筒数分のベアリングキャップをハシゴ状に一体化したベリングキャップが使われる場合が多い。当然、エンジンが最高回転数で連続運転されるときに必要な精度と支持剛性が求められる。
水平対向および180度V型エンジンの場合は、向かい合うシリンダーブロックが互いにベアリングの半分ずつを受け持つ。上の写真はスバルの水平対向4気筒EJエンジンであり、クランクシャフトのジャーナル(軸受に乗る部分)すべてをベアリングで押さえるフルベアリング構造である。下の写真はカムシャフトを支持するベリングであり、ふたつ割りにした片方がカムキャリア、もう片方が「アーチ橋」のようなベアリングキャップである。この手のベアリングには潤滑が必要であり、潤滑油の油膜を保持する設計が行なわれる。