フロントバンパーの形状で旋回性能、直進安定性、乗り心地が大きく変わる
ホンダアクセス・モデューロXの「実効空力」を体感
ホンダアクセスが「実効空力」と呼称しコンプリートカー「モデューロX」シリーズなどに採用しているエアロデバイス。サーキットで体感できたその効果は。
TEXT:遠藤正賢(Masakatsu ENDO) PHOTO:Honda Access/遠藤正賢
ホンダ純正アクセサリーの開発・販売を担当するホンダアクセスが手がけるコンプリートカー「モデューロX」シリーズ。そのカスタマイズメニューは車種によって異なるが、前期型フリードモデューロX以降の全モデルに共通しているのが、専用チューニングのサスペンション、軽さだけではなく剛性バランスにも着目して設計されたアルミホイール、質感を高めたインテリア、そして実効空力デバイスである。
実効空力とは、実車での走行テストを通じて車体のリフトを前後ともバランス良く下げられる形状を導き出すことで、主に中高速域で四輪への垂直荷重を空力によって増大させてグリップ限界を高め、操舵レスポンスと外乱の収れん性を同時にアップ。またロールやピッチを抑え、限界域での荷重の抜けを起こりにくくすることで、より高い直進安定性とリニアなハンドリングを実現する、というもの。
2020年5月に発売された後期型フリードモデューロX以降のモデルでは、車体の下側中央に速い空気の流れを生んで直進性を高める「エアロスロープ」、ホイールハウス内の空気の流れを整えて内圧を低減する「エアロボトムフィン」、ホイールハウスから発生する乱流を抑えて旋回性能を高める「エアロフィン」の3つをフロントバンパーに設けるようになっている。