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競技用クロスミッションのヘリカルギアをスプルーギアに:ながおテクノの“すごい”リビルド技術【東京オートサロン2024】

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競技用クロスミッションのヘリカルギアをスプルーギアに:ながおテクノの“すごい”リビルド技術【東京オートサロン2024】

兵庫県に本社を構える自動車部品メーカー「ながおテクノ」。リビルトパーツの製造・販売に特化し、従業員は100名と同業他社の中でも規模が大きい。業界トップクラスの取り扱い部品数を誇る同社の担当者に、製品やサービスにかける思いをうかがった。

[中ホール4:ブース№414 ]
TEXT&PHOTO:石原 健児(Kenji Ishihara)

顧客の声に応え、取扱い商品数は業界トップクラス

さまざまなリビルト商品を展開

リビルトパーツの製造・販売を手がける、ながおテクノ。取扱い商品は、マニュアルミッションやキャリパーからエアコンコンプレッサー、ディーゼルシリンダーヘッド まで多岐にわたる。部品の納品時に使えなくなったパーツを回収し再生を行い、納品するというサイクルが出来上がっているそうである。

自社の強みについて、担当者はパーツへの深い理解だと語る。「私どもは壊れたパーツを数多く見ているので、パーツの弱くなる箇所を知り尽くしています。その強みを生かし、独自の対策を施し、純正部品よりも強くリビルトしお届けしています」

リビルト用パーツの改修時に、顧客からのからの要望や課題があれば、一つひとつ受け入れて商品に反映するという。「ご要望にお応えしてきた結果、商品のラインナップは増え続け、
お陰様で現在では、取扱い商品数が業界トップクラスにまで成長することができました」

より強いギアを求め、ヘリカルギアをスプルーギアに

ブースには3種類の競技用強化クロスミッションが展示されていた

ながおテクノが東京オートサロン2024で大きくPRした商品の1つが「競技用強化クロスミッション」だ。ドリフト競技をしている顧客から「ミッションのオーバーホールが得意なら、こういうのを作ってくれないだろうか」という要望に応え、改善しながら作り上げたという。

独自設計したスプルーギア使用の競技用強化クロスミッション

特徴は使用する歯車の形状だ。斜め形状のヘリカルギア ではなく、縦形状のスプルーギアを使用した。

左端の歯車がヘリカルギア。歯の形状が斜めになっている。
スプルーギア。歯の形状が縦になっている。

「ヘリカルギアのメリットは歯車接触時の消音です。弊社では、あえて縦形状の歯車を使用しました。接触時のノイズは増しますが、ギアの強度はアップします」強いギアを求めた結果たどり着いたのが縦の歯車だ。一般道の走行も考慮し、高速道路で騒音とならないように、5速だけヘリカルギア仕様にすることも可能だという。

専門メーカーとして、低コスト・高品質のリビルトを実現

製品が生まれ変わる、ながおテクノのリビルト技術

ながおテクノでは、顧客から提供された中古の純正ミッションにオーバーホールと加工を行い納品する。1台あたりのコストは30万円台。一般的にミッションの製造コストは100万円ほどかかる。低コスト実現のポイントは何だろうか。

「大量生産を行っている、という点もありますが、低コストの大きな背景は企業方針です」無理に利益を追求せずに「安く仕入れたものは、安く提供し、お客様に喜んでもらう」。これが代表の考えだという。

低コストと高品質の両立が、ながおテクノのめざすゴールだ。製造ノウハウは創業からこれまで地道に積み上げたもの。担当者は「競技用クロスミッションの歯をスプルーギアにするノウハウ完成までは3年ほどの時間が必要でした。失敗も数多く経験しましたね。」と語る。無駄になったパーツは車100台分にも及ぶという。回収したパーツはすべて分解した後、洗浄・組立て・溶接・塗装まで自社で一貫対応。経験豊かなスタッフに加え、洗浄・研磨など必要に応じて大型機器を使用し一定の品質を実現する。

創業20年を迎え、品質第一を掲げ顧客満足度向上をめざす

全社一丸となり、品質第一を掲げる

2022年、ながおテクノは創業20周年を迎えた。約100名の従業員には、創業初期からのメンバーも数多く在籍しているという。本業はリビルト事業。東京オートサロンのほか、年間を通じて、トラックや建設機械の展示会にも積極的に参加している。

「弊社の代表はモノづくりが大好きなんです」担当者は顔をほころばせた。代表からは「天狗になるな」「偉そうになるな」「常にお客様のことを気遣い行動しろ」と指導されているという。企業方針の1つとして掲げるのは「品質第一」。顧客に喜んでもらうためだという。「オーバーホールが御社の強みですよね」担当者は顧客から誉め言葉をもらうことが増えたという。技術・品質・低コストをめざす、ながおテクノの今後にも注目したい。

著者
石原健児

取材ライター。
1966年東京生まれの北海道育ち。大学卒業後、イベント関連企業、不動産業を経て印刷業へ。勤務先のM&A・倒産をきっかけに2016年からライター業を始める。医療系WEB媒体、ビジネス誌「クオリタス」などで活動。医師、弁護士、企業経営者、エンドユーザーなどを対象に取材してきた。総取材人数はだいたい1500人。就学前までに自動車や転落事故で「九死に二生」位は得ていると思う。最近好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。

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