続、ロータリーエンジンの復活|MX-30 Rotary-EVというクルマ
11年の空白期間を経て復活した、マツダのアイデンティティともいえるロータリーエンジン。このパワートレーンを搭載するのはMX-30だ。先行してマイルドハイブリッド、電気自動車がリリースされているフリースタイルドアの個性派に、新たな選択肢が加わった。
TEXT:MFi PHOTO:山上博也(Hiroya YAMAGAMI)/MAZDA FIGURE:MAZDA
新時代に蘇ったロータリーエンジンが搭載されるのはマツダMX-30だ。2019年の東京モーターショーで同社初の量産BEVとして世界初公開されたMX-30は、パワートレーンだけではなくセンターピラーレスのセンターオープン式構造を持つ「フリースタイルドア」を採用する点でも異彩を放っている。
MAZDA3やCX-30と同じセグメントに属するが、前述のフリーススタイルドアや電動化に伴い骨格にはかなりの改良が実施された。当初はBEV専用モデルかと思われていたが、2020年秋の日本市場導入時にはSKYACTIV-G 2.0ガソリンエンジンに独自のマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたICE車両も設定しバリエーションを拡大した。
そして、ロータリーエンジンを発電専用に使うシリーズ式プラグインハイブリッドモデル、MX-30「Rotary-EV」を設定。23年9月14日から国内での予約受注が開始され、11月にデリバリーが始まった。車両価格は423万5000円~491万7000円、3年後の残価率を55%とした残価設定クレジットプランも用意される。
バッテリー容量は17.8kWhで、電池のみでWLTCモード107kmの走行可能距離を確保。さらに発電機として使われるロータリーエンジンの燃料タンクは50Lの容量を備え長距離ドライブに対応する。バッテリーパックと50Lの燃料タンクを同時搭載するにあたり、それぞれのスペース効率を徹底的に向上させこの構造を実現した。