ロータリーエンジンの復活:e-SKYACTIV R-EV|Generator-EVという選択肢
コンパクトで高性能というイメージが強かったロータリーエンジンを、発電専用に使う。マツダはEVとシリーズハイブリッドの強みを融合し、EVとしての使い方を拡張した今までにない新しい電動車として、e-SKYACTIV R-EVを定義付ける。
TEXT:MFi PHOTO&FIGURE:Mazda/MFi
マツダがe-SKYACTIV R-EVの価値として示したのは、ロータリーエンジンのコンパクトさを活かし、エンジン、発電機、高出力モーターをBEVモデルと同じ車体フレームに搭載可能とすることだった。そして以下の3点のメリットを顧客に提供することを狙っている。まず1つめは、普段はBEVとして使えて、ロータリーエンジンの発電で長距離移動も可能であること。2つめはモーター駆動による純粋で心地の良いドライビング体験。最後に多彩なライフスタイルをサポートする充電・給電性能となっている。
ロータリーエンジンのコンパクトな電動駆動ユニットは、まず小型化への挑戦が必要だった。エンジンと同軸上にモーター、ジェネレーター、そして減速機も配置することで電動駆動ユニットを統合化・一体化することが可能となる。これは小型化にあたってとても大きなメリットを生み出す。エンジン自体の設計、生産の工夫も行われているが、それ以外の部分でもパワートレーン小型化への努力は多岐にわたっている。
モーターとジェネレーターは油冷だが、潤滑構造を徹底的に見直した。CAEと可視化の両面で狭いスペースでの均質なオイル流れを追求し、こちらのパートでも薄型化を追求した。インバーターやコンバーター、ジャンクションボックスなどは水冷シール部のボルトを廃止し小型化を推進。さらにアルミ接合技術にはFSW(摩擦撹拌接合)を採用し、ここでもサイズを抑えている。