フルアルミでドアをつくる:レクサスLSのテクノロジー
レクサスのフラッグシップ・セダンであるLSは、積極的にアルミ合金を採用している。ここで注目するのは、ドアのアルミ化。開発に協力したのはUACJだ。
レクサスLSは、超高張力鋼板とアルミ合金を多用したボディを持つ。ボディ骨格には超高張力鋼板とホットスタンプ材を使い、ふたモノにはアルミを多用する。ボンネットフードやトランクリッド、フェンダーのアルミ化は、いわば定番だが、LSはドアのアルミ化にも取り組んだ。もちろん、軽量化が主目的で、アルミ化することでスチール製と比較して25%程度の軽量化ができたという。ドアは4枚あるから軽量化効果も大きい。
LSのドアは、インナー/アウターパネルともに6000系のアルミ合金を使う。複雑な形状に成形する必要があるインナーパネルは、スチール製の場合は軟鋼を、アルミ化する場合でも成形性の高い5000系を使うことが多い。対してアウターパネルは耐デント性を考慮して6000系を使う。トヨタが選んだのは両方に6000系を使うことだった。とくに難しいのは、インナーパネルの一体成形だ。他社だと3分割するところをLSでは一体成形している。トヨタの生産技術によるところが大だが、その後方支援を行なったのが、アルミメーカーのUACJだった。