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ドイツEV補助金の縮小と廃止、苛烈する国内外での攻防戦を制すのは

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ドイツEV補助金の縮小と廃止、苛烈する国内外での攻防戦を制すのは

2023年5月。EUでは乗用車・小型商用車の二酸化炭素排出基準に関する規則改正が発効された。

これは2035年にEUでの内燃機関(ICE)車の販売を実質禁止するものだ。合成燃料などカーボンニュートラルな燃料のみで走行する車両の扱いが一部留保とされたが、この改正によりEUで販売される乗用車、小型商用車の電動化がさらに加速する運びとなった。

各国政府の後押しによって加速してきたEUの市場だが、ここにきてドイツは各種補助金を縮小、廃止し始めている。急激なブレーキは実際市場にどのような影響をもたらすのだろうか。

ILLUSTRATION:Shutterstock

EU市場で存在感を示すドイツ

乗用車の電動化が欧州で進むとの予測が相次ぐことも事実だ。国際エネルギー機関(IEA)は、欧州のEV販売台数が2025年に330万〜340万台、2030年に700万〜760万台にまで伸びると見込む。2022年の新車登録実績は153万台だ。

欧州自動車工業会(ACEA)によると、2023年の欧州のEV新車登録台数(1〜10月)は、前年同期比45.1%増の163万台だった。

このうちドイツは全体の26%を占める欧州最大の市場だ。ドイツの電動化の動向がEUに大きな影響を与えることは言うまでもない。

ドイツ市場に目線を移す。2023年1〜11月のEV新車登録台数は前同期比28.2%増の46万9565台で、登録台数全体の18%を占めた。ドイツでは、新車登録台数に占める割合がわずか数%だったEVおよびPHEVは、2020年以降、シェアを急拡大させている。

補助金が拡大を後押し拡大の要因として、自動車のラインナップが増え消費者の選択肢が広がったこと、充電インフラが徐々に整備されてきたことなどが挙げられるだろう。

補助金の増額、補助金の廃止

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