NTN、高効率固定式等速ジョイント「CFJ」開発者が「第74回自動車技術会賞 技術開発賞」を受賞
NTNは、自動車技術会が主催する「第74回(2024年度)自動車技術会賞」において「技術開発賞」を受賞したことを発表した。受賞対象者は、独自開発の「スフェリカル・クロスグルーブ構造」により軽量・コンパクトを維持しながら、従来品に対してトルク損失率を50%以上低減し、世界最高水準の高効率を実現したことや、脱炭素社会に貢献できる技術の有用性などが高く評価された高効率固定式等速ジョイント「CFJ」の開発者3名である。
受賞名
第74回(2024年度)自動車技術会賞 技術開発賞
受賞者名
CVJアクスル事業本部 技術ユニット 開発部 藤尾 輝明、船橋 雅司、﨑原 立己
受賞技術名
高効率固定式等速ジョイント「CFJ」
特長
カーボンニュートラルの実現に向けCO₂排出量の削減が急務となる中、自動車のエンジンやモータの動力をタイヤに伝達する駆動部品である等速ジョイント(CVJ)には、より一層の高効率化が求められている。「CFJ」は、タイヤ側に搭載される固定式CVJの従来の構造概念を大きく変更し、ボールが転がる転動溝が内輪と外輪で互いに交差するとともに、隣り合う転動溝が互いに傾斜した独自開発の「スフェリカル・クロスグルーブ構造」が採用されている。この構造によりCVJの内部に発生する力を相殺し、各部品間に発生する摩擦力で失われるエネルギーを低減することにより、従来品の小型・軽量化を維持しながら世界最高水準の高効率が実現された。
受賞理由
本商品は高効率化の必要性が高いドライブシャフトの構成部品である固定式CVJについて、従来の構造概念を大きく変え、自動車の燃費・電費向上やCO₂排出量の削減が実現された。車両への効果に換算すると、ガソリン車で0.62%の燃費改善、電気自動車で0.9%の電費改善効果となり、脱炭素化社会への貢献度の高さなどが評価され、今回の受賞となった。
「CFJ」は、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催の「2022年“超”モノづくり部品大賞」、日本トライボロジー学会が主催の「2022年度日本トライボロジー学会 技術賞」に続いて3度目の技術賞受賞となる。