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横浜ゴム、”人とAIとの協奏“によるデータ活用「HAICoLab」の研究開発で日本ゴム協会賞を受賞

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横浜ゴム、”人とAIとの協奏“によるデータ活用「HAICoLab」の研究開発で日本ゴム協会賞を受賞

横浜ゴムの技術者が、”人とAIとの協奏“によるデータ活用「HAICoLab※(ハイコラボ)」の研究開発において日本ゴム協会の「第36回日本ゴム協会賞」を受賞。受賞式は5月30日に日本ゴム協会で開催された。

今回受賞した「HAICoLab」は横浜ゴムが2020年10月に策定した、「人間特有のひらめき」や「発想力」と「AIが得意とする膨大なデータ処理能力」との協奏によって新たな発見を促しデジタル革新を目指すAI利活用フレームワークである。人が設定する仮説に沿ったデータの生成・収集とAIによる予測・分析・探索を繰り返すことで未踏領域での知見の発見を目指しており、これまでにもゴムの配合物性値予測や配合設計、タイヤの特性値予測システムなどの開発に活用してきた。今後も全社的にAI利活用を推進していくことで、ユーザーエクスペリエンスの向上および内閣府が提唱するAIやIoTなどの革新技術により実現する新たな未来社会の姿「Society 5.0」の実現に貢献する。

「日本ゴム協会賞」はゴムおよびその周辺領域における科学・技術またはその産業分野の発展に寄与し、その業績が極めて顕著なゴム協会会員に授与されるものである。授与数は毎年2件以内で、基準を満たす技術者がいない場合は授与されない。今回は横浜ゴムの小石正隆による研究開発1件が受賞した。
※Humans and AI collaborate for digital innovationをもとにした造語

表彰盾を手にする小石正隆(左)と日本ゴム協会の網野直也会長
「HAICoLab」の概念図

第36回日本ゴム協会賞

■受賞者:小石正隆
■業績の名称:人とAIとの協奏によるデータ活用(HAICoLab)の研究開発
■受賞理由:
ディープラーニングの登場以来、囲碁や顔認証など様々な分野でAIが利用されている。材料科学においてもAIを利用した材料探索(マテリアルズ・インフォマティクス)に関心が集まっている。しかし、データの無い未踏領域での発見はAIだけでは難しい上に、探索領域の設定がその成否を左右する。領域とルールが明確な囲碁と異なり、産業界の課題はそれらが不明確な場合が少なくない。そこで、小石氏らの研究グループでは、そのような状況においても人とAIとの協奏、すなわち、人が仮説を設定しデータを準備し、知識や経験を補う情報をAIで取得し、そこに人が解釈を加えるというサイクルを繰り返すことで未踏領域を切り開くアイデアを引き出して製品やプロセスを革新する仕組みを構築し、この取り組みにHAICoLabと名付けて実践を開始した。HAICoLabの狙いの中には、客観的な思考を妨げる固定観念や認知バイアスの排除も掲げている。小石氏らは、HAICoLabに基づいてゴム及びタイヤ開発を支援するAIシステムを開発し、実際の製品開発に活用している。この取り組みは、多くの講演会などで紹介され、広く注目を集めている。HAICoLabはSociety5.0に示されている人間中心のAI活用を体現した好例であり、ゴム産業の発展に大きく貢献するだけでなく、日本の技術レベルの高さを示すものである。以上の成果は、ゴム産業の科学・技術の発展に大きく寄与する極めて顕著な業績であると考えられることから、本賞の受賞に十分値するものと認められた。

著者
Motor Fan illustrated

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