印マヒンドラ、新型EV塗装設備にABB「ピクセルペイント」採用。塗装ロスを削減
インドの大手自動車メーカーであるマヒンドラ＆マヒンドラ（M＆M）は7月4日、新型電気自動車（EV）の塗装設備にABBの「PixelPaint（ピクセルペイント）」を採用したと発表した。
ピクセルペイントは、個別に制御可能な1,000個以上の小型ノズルを備えたプリンタヘッドで構成され、ABBの塗装ロボット「IRB 5500」などに搭載されている。
3Dビジョンシステムとシミュレーション、プログラミングソフトウェア「RobotStudio（ロボットスタジオ）」を組み合わせることで、ヘッドが車体にぴったりと追従し、オーバースプレーや霧状の飛散がなく、塗料が車体に100％確実に塗布される。マスキング作業や複数回の塗装工程が不要になり、細部まで正確な再現性を確保しながら塗装ロスをゼロにできる。
マヒンドラは、インドの自動車メーカーで初めてルーフとピラーのコントラスト塗装にピクセルペイントを採用。塗装設備にはIRB 5500シリーズのロボット42台が含まれており、2025年に量産設備での運用開始を予定している。
内装塗装やシーリングなど、複雑で時間のかかる作業は全てABBのシステムによって行われ、必要な場所にのみ正確に塗装できるため、手作業でマスキングを行う必要がなくなり、時間と資材が節約できる。同様に、「RB1000iデジタル塗装機」も塗装効率を10％改善し、塗装ロスを30％以上削減することで、空気中に放出される塗料の量を減らす。
近年、ユーザーからのパーソナライズオプションの需要が高まっており、ピクセルペイントをプレミアム塗装オプションとして採用することで、ユーザーの要望に応じたカスタマイズ塗装の可能性を広げる。
