独アウディ、スポーツモデル「RS 3」をアップグレード。ニュルブルクリンクで7分33.123秒の新記録
独アウディは8月20日(現地時間)、Audi A3シリーズのレーシングスポーツモデル「RS 3」の改良新型を発表した。
RSモデルは、モータースポーツで鍛えられた最先端のテクノロジーを装備に生かした高性能モデル。各シリーズのトップモデルとして設定し、A3シリーズでは「RS 3 スポーツバック」と「RS 3 セダン」をライアップに加えている。
今回のアップグレードは、パワートレインには、294kW/400PS、最大トルク500Nmを発揮する、Audi Sportの2.5 TFSIエンジンを搭載。0から100km/hまでを3.8秒で加速し、最高速度290km/hに達する。5気筒エンジンは、1-2-4-5-3の特徴的な点火順序に基づく独特なサウンドが特徴。隣接するシリンダーと非隣接のシリンダーが交互に点火し、力強いリズムとキャラクターを生み出す。赤いラインで囲まれたエンジンスタート/ストップボタンを押すと、5気筒エンジンの力強いサウンドが鳴り響く。
アウディドライブセレクトのダイナミック、RSパフォーマンス、RSトルクリヤモードでは、さらに音のボリュームが増し、特徴的なサウンドが際立つ。エキゾーストフラップ制御は2,200から3,500回転のrpm範囲で最適化されており、選択するモードに関わらず、一貫して豊かなサウンドを生成する。
同モデルの直線での速さは、加速性能データでは主要な競合モデルを上回る。Audi Sportのレーシングドライバーである、フランク スティップラー(Frank Stippler)がニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(北コース)で、ラップタイム7分33.123秒を記録し、これまでのクラス記録を5秒以上も上回った。この成功により、同モデルは再びアイフェルの20.832キロメートルのサーキットで最速のコンパクトカーとなった。
外観は、さらにスポーティな印象を強め、フロントデザインに際立ったエッジを持つ六角形のシングルフレームを採用。これまでよりもフラットで広くなり、ボリューム感のあるダイヤモンドパターンのグリルによりコンパクトなスポーツカーの躍動感を表現した。
縦の黒いブレードで強調した2つの機能的なサイドエアインテークと、フロントスプリッター上の3つの開口部も、車両の全幅にわたって広く配置し、フロントデザインの印象をさらに低く構えさせており、1987年のAudi Sport quattro S1 Pikes Peak(パイク スピーク)を彷彿させている。
デイタイムランニングライトにより、ヘッドライトもパフォーマンスを向上させ、24個の要素から成るデジタルシグネチャーはチェッカーフラッグをイメージしている。マトリクスLEDヘッドライトとの組み合わせで、3種類のデイタイムランニングライトデザインをMMIタッチディスプレイから選択できる機能を加えた。
リアもモータースポーツを彷彿とさせるデザインを取り入れた。縦に配置されたサイドリフレクターは、フロントのエアインテークデザインを反復。大きなRS専用のディフューザーの中央には赤いリフレクターが組み込まれ、その両側にはRSエキゾーストシステムの楕円形テールパイプトリムを配置し、ブラックフレームによりさらに大きく見せている。ヘッドライトと同様に、テールライトにも新しいグラフィックを採用。ホーム・カミング/リービング・ホーム機能では、矢印が内側から外側に向かってダイナミックに点灯し、先進的なテールライトデザインを体現している。
インテリアも全体的にダークな色調で構成。ステアリングホイールは上部と下部がフラットになり、スポーティな印象を与えている。標準のパーフォレーテッドレザーまたはオプションのダイナミカレザー(ステアリング上部12時位置にアクセントカラー付)で、コーナーで操る際に、手にしっくりと馴染むように加工されている。
オプションのRSバケットシートは、中央にRSハニカムステッチが施し、マイクロファイバー生地のダイナミカを使用。サイドボルスターにはパールナッパレザーが施されている。ヘッドレストの下には大きなRSバッジが付いた黒いテーパー状のインサートがあり、マットカーボン製シートバックレストの裏面との組み合わせにより、スポーティさを強調した。
同モデルは、アウディのインゴルシュタット工場で製造され、ドイツ本国では8月末から注文を受け付ける。