三菱重工、商品物流を最適化できる3辺サイズ可変製箱機「COMPOX/コンポックス」を新たに開発。MHI-MS、EC通販事業者、物流センター向けに9月から受注販売を開始
三菱重工グループの三菱重工機械システムは、商品物流の配送コスト削減や輸送効率向上に寄与する3辺サイズ可変製箱機「COMPOX/コンポックス」(商標登録出願中)の開発を完了し、EC(Electronic Commerce:電子商取引)通販事業者、梱包・輸送を担う物流センターなどに向け9月から受注販売を開始することを発表した。
この3辺サイズ可変製箱機は、商品の配送時に使用される段ボール箱の3辺(縦・横・高さ)を、商品サイズに合わせて自動的に変え、梱包に必要な最小サイズで箱を供給できる包装工程用設備で、3辺合計サイズが最小50cmから最大130cmまでの段ボール箱を、最大10箱/分(600箱/時)の速さで自動製箱できる。連続した段ボールシートを製品サイズに合わせて都度切り出して成箱するため、複数の大きさの資材管理が不要で、梱包商品の個数やサイズ情報に基づく3辺サイズは、三菱重工が開発した「箱サイズ最適化ソフト」によるシミュレーションで算出される。形状が不安定な液体パックや球体製品および複数の製品は人手による箱詰めで対応したいという業界ニーズを受け、段ボール箱を作るまでを標準仕様とされており、自動封緘は別装置によるオプションとして追加が可能とされている。
本製箱機の導入により、商品サイズに最適な最小サイズの箱で梱包・配送することが可能となるため、箱内の無駄なスペースや隙間を埋める多量の緩衝材が不要となり、EC通販事業者、物流センターなどにおける配送コスト削減(注)に大きく貢献する。また、2024年物流問題に対しては、箱のサイズ決定から製箱までの自動化などによる業務負荷低減および省人化、段ボール箱のサイズダウンに伴う輸送トラック荷室の省スペース化と積載効率向上、それに伴うトラック台数ならびに燃料費の削減、CO₂をはじめとする温室効果ガスの排出抑制などにも寄与する。さらに、自動倉庫やDXなどと連携可能な設計自由度の高さから、工場作業の梱包から積み込みまでの全自動化といった新たな物流トータルソリューションの提案も可能とされる。
MHI-MSは、これまでに培った紙工機械の製函技術や食品機械のパッケージング技術を応用・融合することで、物流の最適化・効率化に役立つソリューションを提供するとともに、労働者不足や環境保護をはじめとする社会課題の解決といった面でも持続可能な社会実現に向けた貢献を続けていく。
※一般的な宅配便は箱のサイズ(縦・横・高さの3辺合計)と重量で決定される。重量が一定であれば3辺サイズの合計が小さいほど配送料が減る可能性が高く、コストメリットが生まれる。