【日東精工】電動化を支える小さなネジの“大きな進化”がハンパない。JOISTUD-HTというネジの実力|人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA
車を製造するうえで欠かせない存在といえば、何を思い浮かべるだろうか?筆者は真っ先にネジを思い浮かべるが、このネジに大革命といっても過言ではない変化が起きていた。小さなネジの、あまりにも大きすぎる変化。しかもそれがメーカーの声がきっかけだったというから面白い。詳しい話を日東精工株式会社 高見 裕巨 経営企画室長に伺った。
TEXT:久保田 幹也(Mikiya Kubota)
PHOTO:村上 弥生(Yayoi Murakami)
主催:公益社団法人自動車技術会
時代にあったネジの開発。きっかけはメーカー
「当社のネジは、これからますます需要が拡大していくネジだと思っています」(高見氏)
そう語る高見氏の横には、薄い銅板に絞められた2本のネジが置いてある。一見すると同じように見えるが、よく見ると、銅板に反りがあるものとそうでないものの2通りであることがわかった。
「近年、自動車に使われる金属板が薄くなる薄板化が進んでいます。軽量化のための施策ですが、これにより従来のネジでは金属板に反りが出るようになったんです。そんな悩みを抱えたメーカーさんの声から誕生しました」(高見氏)
一般的なネジもそうだが、ネジはネジ山が素材を引っ張り上げて締まる仕組みになっている。しかし、素材の薄板化が進んでいるため、素材側がネジの引っ張りに耐えられなくなり、反りが生じてしまうのだという。
「現況を打開するにはどうしたら良いのか」悩むメーカーの声から、この製品は誕生したのである。