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東北で唯一炭素繊維開発を行う丸隆工業。低比重で高強度、錆びないCFRP製治具で生産現場の負担を軽減。|超専門技術ミニ展示会「代替合体展」

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東北で唯一炭素繊維開発を行う丸隆工業。低比重で高強度、錆びないCFRP製治具で生産現場の負担を軽減。|超専門技術ミニ展示会「代替合体展」

2024年7月19日、羽田イノベーションシティの「PiO PARK」にて、公益財団法人大田区産業振興協会主催の超専門技術ミニ展示会「代替合体展」が開催された。得意の技術領域を持つスペシャリストが、環境負荷低減や機能性向上に向けた「代替」材料から、異種材料の併用・接合(「合体」)などに関する技術を展示。今回は、大田区にて創業し、現在は福島県に本社を構える丸隆工業株式会社にCFRP製治具の開発や可能性について話を聞いた。

TEXT&PHOTO:那須野 明彦(Akihiko Nasuno)
主催:公益財団法人大田区産業振興協会

治具の設計、製造で80年の歴史を持つ丸隆工業

丸隆工業株式会社は、東北で唯一炭素繊維開発を行っており、経済産業省のGo-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)にも採択されるなどその高い技術力に定評がある。治具の設計から自動車用ブレーキ・エンジン部品製造など、80年を超える歴史を持ち、CFRP(カーボンファイバー・炭素繊維強化プラスチック)の整形や加工も得意としている。近年取り組んでいるのがCFRPによる治具の開発だという。

圧倒的に軽量はCFRP製治具

丸隆工業のブースに展示されていたのは、長さ50cmはあると思われる、巨大な真っ黒なスパナ(治具)だった。トラックなどの組み立てに使われる治具らしい。試しに持ち上げてみると、その大きさからは想像できないほど軽い。なぜそんなにも軽いのか、その理由は素材としてCFRP(カーボンファイバー・炭素繊維強化プラスチック)が使われているからである。

CFRPでできたスパナ(治具)。右上の新聞と比べても、そのサイズは巨大。それでいて577gと片手で軽く持ち上げられるほど軽量である。

CFRPと金属の複合成型で軽さと強度を両立

著者
那須野明彦

1970年東京生まれ。趣味はバイクとプラモ。自動車専門誌、モノ情報誌の編集者を経て、2008年にフリーのライター・編集者として独立。自動車専門誌ではカーグッズやカーナビ、オーディオなどのインプレ記事を数多く手がける。現在は企業のオウンドメディア、自動車コラム、カーグッズ紹介記事、DIY書籍、DIYのノウハウコンテンツなどを執筆。

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