トーヨータイヤ、 小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ「NANOENERGY(ナノエナジー) M951 EV」を発売
TOYO TIREは、国内市場初の小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ「NANOENERGY M951 EV(ナノエナジー エム キューゴイチ イーブイ)」を本年9月より発売することを発表した。(発売サイズは1サイズ、価格はオープン価格)
新商品「NANOENERGY M951 EV」
日本国内のCO₂排出量のうち、部門別では運輸部門が全体の約2割を占め、物流業界ではモーダルシフトなど脱炭素化に向けた取り組みが本格化している。商用車メーカー各社もEVトラックのラインアップを強化しており、短距離輸送を主体とした小型車両のEV化が進行している。また、大手の荷主や運送会社に対し、輸送手段における「非化石エネルギー」への転換が義務づけられたことから、EVトラックは今後さらに需要の増加が見込まれている。
EVでは航続距離が重視され、タイヤにはこれに貢献する「低電費」性能が求められる。特にEVは、バッテリー搭載による車両重量の増大、パワフルな駆動力による加速性能の向上、回生ブレーキの使用などの特徴を持つため、タイヤに対する負荷が高くなる。このような車両の特性や市場ニーズを考慮し、トーヨータイヤは小型EVトラック専用のスタッドレスタイヤを開発した。
新商品「NANOENERGY M951 EV」は、EV専用非対称パターンを採用し、氷雪上性能と耐摩耗性能を高次元で両立。ブロックを大型化することで剛性を高め、また高密度に配置されたサイプによりアイス性能も確保している。さらに、耐摩耗NCPコンパウンドを用い、低電費性能と耐摩耗性能の向上を追求している。また、ビードワイヤーには環境に配慮した再生素材が採用されている。
トレッドパターン設計
小型トラックが活用される小口配送においては、STOP & GOの頻度が高く、また、EV特有の高トルクによる早期摩耗を抑制する必要がある。NANOENERGY M951 EVは、リブ(縦溝)パターンによって耐摩耗性能の向上を図りつつ、大型ブロックパターンに高密度ウェーブ3Dサイプを配置して高トルクに対応するトラクション性能と氷雪上性能を発揮する。
配合設計
トーヨータイヤ独自の材料設計基盤技術「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」を活用している。さらに、ゴムコンパウンドのエネルギーロスを低減できる独自のプロセス技術「Nano Composite Polymer(ナノ・コンポジット・ポリマー)」を用いて、最適なコンパウンドを設計。同社現行商品(汎用スタッドレスタイヤM919)比で、転がり抵抗を15%低減したうえ、耐摩耗性能を38%向上させている。