ベントレー、第4世代「フライングスパー」発表。最高出力782PS/最大トルク1000Nmを発揮する4ドアスーパーカー
ベントレーモーターズジャパンは9月11日、ブランド初の4ドアスーパーカーとなる新型「フライングスパー」を発表した。
今回発表した新型フライングスパーは、20年近くにわたりベントレーの究極のラグジュアリーセダンを代表してきたフライングスパーシリーズの第4世代。パフォーマンス重視の「スピード」モデルとして登場し、ブランド初の4ドアスーパーカーとなる。
パワートレインは、782PS、1000Nmの新パワートレイン「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」を搭載。全輪駆動システムは、600PS 4.0リットルツインターボV8エンジンと、190PSの電動モーター、8速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせている。
スポーツモードでは、最大出力782PSと最大トルク1,000Nmを発揮し、前モデルの「W12搭載フライングスパー スピード」と比較して全回転域でのピークトルクと出力が向上した。システムトルクは、前モデルと比較し11%以上増加して900Nmから1000Nmになり、システムパワーも19%増加し、659PSから782PSとなった。新しい600PS、800NmのV8エンジンは、従来の真空システムを排除し、350バールの燃料噴射圧を採用して、クリーンな燃焼と排出量を改善した。電動モーターによりターボラグが解消され、ツインシングルスクロールターボチャージャーを使用することで、システムがよりシンプルになり高温での運転が可能となり、排出量を最小限に抑えた。シリンダーのディアクティベーションハードウェアは不要で、電動モーター使用時にエンジンを完全にオフにできる。
EVモードでは、電動モーターが190PSと450Nmのトルクを発揮。25.9kWhのバッテリーで、電気のみで最大76kmまで走行でき、走行中にCO2を排出しない車のみ走行できるゼロエミッションゾーンや市街地での走行に適している。CO2排出量は、前モデルと比較し90%低減。加速が必要な場合は、V8エンジンと電動モーターを組み合わせることで、合計782PS(前モデル比147PS増)の出力により、0-100km/hを3.5秒(0-60mphは3.3秒)で達成。前モデルより0.5秒速くなり、合計829kmの走行距離を実現できる。
フル電動モードは、最高速度140km/hでの利用が可能で、アクセル開度は最大75%まで対応。バッテリーは、充電器とバッテリー容量の改善により、最短2時間45分で完全に充電でき、11kWのピーク充電パワーを提供する。
パワートレインシステムは、選択したモードに応じてエネルギーの流れを管理する。EVモード、電動ブースト、回生ブレーキが含まれ、チャージモードではエンジンが車輪を駆動しながらバッテリーを充電する。
標準装備として、「ベントレー パフォーマンス アクティブ シャーシ」を備える。ベントレー ダイナミック ライドやオール ホイール ステアリング、電子制御のリミテッド スリップ デフが含まれており、新世代のESCソフトウェアによりさまざまな運転スタイルに対応。リア寄りの重量配分(48.3:51.7)により、シャーシシステムとESCは機械的に最適化されたプラットフォームを提供する。
進化したツインバルブダンパーにより、縮み側と伸び側の減衰を個別に調整できるようになり、コンフォート、ベントレー、スポーツの各モード間の性能を明確に分けた。前モデルのスポーツモードにおけるボディコントロールを維持し、コンフォートモードでの乗り心地を大幅に改善した。
デザインは、エクステリアにグラファイト仕上げのブライトウェアや、新しい専用のグリル、フロントバンパー、リアディフューザーを施した。スタイリングスペシフィケーションのエアロパッケージはボディカラーで仕上げており、カーボンファイバー仕上げも選択が可能。ドアには新しいLEDウェルカムランプが内蔵されており、フロントドアを開けると、地面にベントレー ウィングのアニメーションロゴが投影される。
22インチの10スウェプト スポークホイールは、グレー ペイント、ブライト マシン仕上げ、ブラック ペイントの2種類の仕上げがあるほか、2つの異なるデザインの22インチホイールの仕上げも、ペイント仕上げ、ブラック ペイント、ダーク ティント、ペイル ブロガー サテンから選択できる。
キャビン内のシートデザインは、3Dダイヤモンドキルティングと、シート中央部に改良されたパーフォレーションパターンを施した。プレシジョン3Dダイヤモンドレザーでドア内側とBピラーを覆い、外装のダークティントブライトウェアや、新オプションのダーククローム仕様のトリムを、ドアハンドルやスイッチ、スピーカーグリルなど、キャビン内のさまざまな部分に採用し、優雅な雰囲気を目指した。
「ベントレー ローテーション ディスプレイ」も引き続きオプションとして提供。12.3インチの高解像度ディスプレイ、3つのアナログダイヤル、途切れのない手作りのベニヤから希望の面を選択できる。ユーザーは、数十億通りのカスタマイズオプションからの選択に加え、同社のビスポークおよびコーチビルディング部門「マリナー」により、無限のカスタマイズが提供され、ユーザーの好みや個性に合わせてオーダーできる。
カラーは、101色のペイントカラーだけでなく、過去カラーの選択や、カスタムペイントマッチングも可能。内装は、22種類のメインレザーハイドカラー、11種類のセカンダリーレザーハイドカラー、4つのカラースプリットがあり、レザーのみでも700以上のカラーの組み合わせが可能となる。コントラストステッチやパイピング、特注機能の追加や、レザーに加え8種類のウッドベニヤと3種類のテクニカルフィニッシュを用意し、単色またはデュアルフィニッシュとしての使用や、内装のレザーや外装のペイントカラーに合わせて塗装できる。
オーディオシステムは3種類用意し、標準システムは10スピーカーと650ワットで構成されている。高音質な音響体験を求めるユーザーには、イルミネーテッドスピーカーグリルが特徴な1500W・16スピーカーのBang&Olufsenシステムを、本格的なオーディオ体験を求めるユーザーには、2200Wの出力を持つNaimの19スピーカーシステムを提供する。
ウインドスクリーンとサイドウインドウには防音性能の高いラミネート・アコースティックガラスを使用し、外部の騒音を9デシベル減少させた。
最新の電気アーキテクチャを採用し、インフォテインメントとドライバーアシストのテクノロジーを進化させ、ウェルネス、運転支援、インフォテインメントシステム、コネクテッドカーサービスにおいてシームレスな体験を提供する。
オプション「ウェルネスシーティング スペシフィケーション」が全席に対応。シートの自動温度調整とポスチュラル調整機能が含まれており、ゾーンごとのヒーターとベンチレーターで体温を測定・維持し、乗員の筋肉への圧力を心地よく、スムースに変化させる。同機能が全席に対応するのは、フライングスパーでは初めて。
運転席のインストルメントパネルに表示される環境ディスプレイは、セミアシストモードで運転をサポートし、車間距離の維持や進路変更などの情報をドライバーに知らせ、他車に対してどのように反応しているかを表示する。周囲の環境を認識できる機能が備わることにより、最新式のインテリジェント パーク アシストで速度を制御しながら自動駐車が可能となった。
エアコンシステムも改善し、新たにエアーイオナイザー、微粒子フィルターを追加して、車内外のエアクオリティを表示。システムは車両のカーナビゲーションと連動し、トンネルに入った際などに空調を調整して車内のエアクオリティを保つなど、必要に応じて循環・調整する。
基本的な機能では、ワイヤレスApple CarPlayやワイヤレスAndroid Auto、地図のオンライン更新機能を改善した。スマートフォンと接続することで、車両の充電開始や停止などを操作できる「リモート充電ステータス」、スマートフォンから車両の駐車や出庫をリモート操作可能な「リモートパークアシスト」、ドライブ開始前に車内の温度設定や、シートヒーターなどの環境を整えられる「リモート キャビン プレコンディショニング」のコネクテッドカーサービスが利用可能となった。今後も毎年新たな機能の追加を予定している。
同社のデジタルエコシステムに新機能「My Bentley App Studio」を追加し、ユーザーはスマートフォンを使わず、インフォテインメントシステムに直接ダウンロード可能なアプリで、さまざまな車両用とサードパーティー製アプリケーションにアクセスできる。アプリケーションには、音楽や動画、ゲーム、ナビゲーション、駐車、充電などが含まれており、運転中でも使用できる。