モルフォ、ソニーセミコンダクタソリューションズと資本業務提携。車載カメラ向けAI画像認識技術などの開発加速へ
モルフォとソニーセミコンダクタソリューションズ(以下SSS)は9月13日、AIを用いた新たな画像認識技術や画質改善技術の研究開発と人材確保のための資本業務提携契約を締結した。
モルフォは、画像処理/AI(人工知能)の研究開発型企業。高度な画像処理技術を組み込みソフトウェアとして、国内外のスマートフォン、半導体メーカを中心にグローバルに展開している。カメラで捉えた画像情報をエッジデバイスやクラウドで解析する、AIを駆使した画像認識技術を車載や産業IoT分野へ提供している。
テクノロジーによるイノベーションを通じた顧客価値の最大化を目指しており、生活の利便性向上、安全な生活環境の提供、生産性向上の実現による社会問題の解決への貢献に取り組んでいる。
事業を運営する中で投資効果の発現に一定程度の時間を要するという課題を抱えており、今後の投資資金について回収期間が中長期になることを想定し、投資期間中における事業運営の安定化のため、事業シナジー効果が期待できるSSSと、業務提携とあわせてエクイティ・ファイナンスを行うことが最適と考え、事業面と資本面における提携関係を構築することを目的とした業務提携を行う。
SSSはソニーグループの子会社で、イメージセンサーを含む半導体デバイス事業を展開している。イメージング技術に加え、新たなセンシング技術を開発・導入することで、人や機械の視覚・認識機能を高めるさまざまなソリューションの展開に取り組んでいる。
業務提携内容は以下の通り。
・モルフォの組込機器向けAI技術分野における先端技術の提供
・SSSが顧客に提供する商品またはサービスへのモルフォが有する技術および人材の活用
・両社が有する技術、ノウハウ、情報等を用いた研究開発
・その他両社の協議により合意した事項
調達した資金は、モルフォグループにおける成長事業への投資資金に充当し、グループの売上増加や収益率・企業価値を向上させる。画像処理およびAIを活用した研究開発を行う研究者と、優秀な人材の確保を目指し、採用費などにも投資する。SSSはモルフォグループのソフトウェア開発との連携により、事業拡大を見込む。
資金の具体的な使途は以下の通り。
1.研究開発投資
今後大きな成長が見込まれる車載カメラをはじめとしたモビリティ領域や、スマートフォンをはじめとしたスマートデバイス領域での応用を目的として、AIを用いた新たな画像認識技術や画質改善技術について、以下の研究開発に関する投資を行う予定。
・車載カメラの状態に応じて周囲映像の画質を向上させるソフトウェアの開発
・カメラで撮影される被写体やその距離を高精度にセンシングするソフトウェアの開発
・劣悪な撮影環境下において映像の視認性を格段に向上させるソフトウェアの開発
2.人材投資
モルフォの更なる成長のため、画像処理およびAIを活用した研究開発を行うための研究者の確保ならびに質の高いサービス提供を継続するための事業開発力の強化には優秀な人材の確保が必要なことから、新たな人材の採用を目指して採用費等に投資する。
今後は、SSSが有するイメージセンサー関連の知見およびノウハウと、モルフォグループの画像処理およびAIに関する技術力や事業開発力を掛け合わせることで、両社の事業面における提携関係の強化・発展に向けた協議を進めていく。