トーヨータイヤ、トヨタ車体のラリーチームにサステナブル素材を採用した「OPEN COUNTRY」を供給し、ダカールラリー2025への参戦をサポート
トーヨータイヤは、トヨタ車体のラリーチーム(チームランドクルーザー・トヨタオートボデー、以下、TLC)にトーヨータイヤ製ピックアップトラック/SUV用タイヤ「OPEN COUNTRY M/T-R」を供給する。また、水素燃料エンジン車「HySE-X2」に対して、同社製タイヤ「OPEN COUNTRY M/T-R (SxS※1)」を供給。「HySE-X2」は、技術研究組合 水素小型モビリティ・エンジン研究組合(Hydrogen Small mobility & Engine technology、以下HySE)がレースマネージメントを委託しているOverdrive Racingを通じ、“Mission 1000 ACT 2”部門※2に参戦する水素燃料エンジン車だ。なお、今回TLCおよびOverdrive Racingに供給するタイヤは悪路走破性を追求し、耐久性と耐摩耗性を向上させるとともに、環境にも配慮したサステナブル素材を使用している。
1978年から開催されているダカールラリーは、世界でも過酷なオフロード耐久ラリー競技として知られている。寒冷な山岳地帯から灼熱の砂漠まで気象条件や路面状況がさまざまに変化する厳しい環境のなか、道なき道を緻密な運転と正確なコース取りで2週間かけて走り続ける。ルート上に設定された約5,200kmのスペシャルステージ(競技区間)計13ヵ所(プロローグステージ※3を含む)と、その間をつなぐリエゾンセクション(移動区間)の累積走行タイムを競う。
トヨタ車体は極限環境下で車両を鍛える「もっといいランクルづくり」をめざしている。同社が開発・生産を担うランドクルーザーで参戦するTLCは、本年のダカールラリー2024で11連覇を達成した。トーヨータイヤは、「OPEN COUNTRY M/T-R」をダカールラリー用にチューニングした専用タイヤを2021年からTLCへ提供している。
また、水素小型モビリティ普及に向けた技術研究などを行なうHySEは、次世代パワートレーン搭載車両向けに設立された部門“Mission 1000 ACT 2” に参戦する。トーヨータイヤは世界各地のオフロードレースで鍛えた技術を生かし、HySEがレースマネージメントを委託しているOverdrive Racing社を通じて「OPEN COUNTRY M/T-R (SxS)」を供給し、この取り組みをサポートする。
※1 サイド・バイ・サイド・ビークルの略称。オートバイなどの輸送機器の製造技術を応用して作られた左右に並んだ座席を持つオフロード車両
※2 水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなどのカーボンニュートラルに向けた次世代パワートレーンの技術開発を促進するために設立された部門。次世代パワートレーン搭載車両がコース走行距離約1,000km(約100km×10日間)で順位を競う。
※3 スタート順を決めるために設けられたショートコース
OPEN COUNTRY M/T-R(ダカールラリー2025用スペック)
本製品は、OPEN COUNTRY M/T-Rを、TLCがダカールラリー2025に投入する車両、ランドクルーザー300 GR SPORT(ダカールラリー2025仕様)に適合するようにチューニングし、岩場や砂漠などの荒れた路面における走破性、耐摩耗性、耐久性を向上させている。また、本製品の重量全体のうち55%にサステナブル素材が使用されている。
従来品と同じくバイオマス由来のブタジエンゴムとスチレンブタジエンゴム、もみ殻灰シリカ、植物由来オイル、バイオ由来ポリエステル繊維、再生ビードワイヤーが使用されたほか、ダカールラリー2025用スペックでは、廃タイヤから採れる再生カーボンブラックに加えて、新たに熱分解油由来のカーボンブラックが採用されている。
OPEN COUNTRY M/T-R (SxS)
本製品はHySEがダカールラリー“Mission 1000 ACT 2” で出走させる車両「HySE-X2」へ適合するよう、OPEN COUNTRY M/T-Rに専用チューニングを施したものである。砂丘走破性能を追求するためにタイヤパターンが改良されたほか、剛性アップによる耐久性能向上と軽量化による加速性能、燃費性能向上が実現されている。また、本製品の重量全体のうち60%にサステナブル素材が使用されている。
バイオマス由来のブタジエンゴムとスチレンブタジエンゴム、もみ殻灰シリカ、植物由来オイル、再生ポリエステル繊維、再生ビードワイヤー、廃タイヤから採れる再生カーボンブラックに加えて、熱分解油由来のカーボンブラックが採用されている。