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ドライバーの体調異常を検知する技術を三菱電機が開発

カメラによる非接触生体センシング技術で事故予防に貢献

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ドライバーの体調異常を検知する技術を三菱電機が開発

三菱電機(本社:東京都千代田区)は、運転中のドライバーのわき見や居眠りを検知するドライバーモニタリングシステム(DMS)のカメラを用いて、脈拍や血圧の変化といった生体情報を非接触で推定し、ドライバーの意識消失など体調異常を検知する技術を開発した。

従来技術と今回開発した技術の比較
従来技術と今回開発した技術の比較

本技術は、DMSによる非接触生体センシングを基に、独自開発のAIが複数の生体情報を推定(※1)。姿勢崩れなど視覚的な変化を伴わない場合においても、AI技術「Maisart(マイサート)」(※2)によって体調異常発生を検知できる。

国内の健康起因交通事故の三大要因(※3)は、心疾患、てんかん、脳血管疾患だという。意識消失などドライバーの体調異常に起因した事故は、死亡や重症事故に繋がりやすいことから対策が急務となっている。体調異常を検知する技術として、DMSのカメラ映像から異常時の姿勢崩れを検知する技術がある。しかしながら、運転姿勢を保ったまま意識を消失する場合も約50%(同社推定値、※4)あり、その対策が課題となっていた。

三菱電機は、体調異常時に生じる生体情報の変化に着目した検知技術の開発に取り組んでいるという。今回の技術では、心疾患、てんかん、脳血管疾患で生じる生体情報の特徴的変化に着目した。独自のAIを活用することにより、DMSのカメラ映像から非接触でドライバーの脈拍数、脈拍間隔、脈の強弱、血圧の変化を推定し、その変化から姿勢崩れが伴わない場合でも体調異常を検知する。体調異常を検知した場合、車両のシステムが路肩への停車を行うなど死亡や重傷リスクの高い事故の予防に繋がる。

※1:独自AIで「脈拍数」「脈拍間隔」「脈の強弱」「血圧の変化」を推定。その中で「脈拍数」「脈拍間隔」「脈の強弱」をTURNIP(Time-series U-NET with Recurrence for NIR imaging PPG)が推定
※2:Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technologyの略。全ての機器をより賢くすることを目指した三菱電機のAI技術ブランド
※3:出典)第5期報告書 本編
※4」AMECC(健康起因交通事故撲滅のための医工連携研究開発コンソーシアム)で取得したてんかん患者の映像データで確認した人数割合

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