病院内での患者の移動負担を軽減する「WHILL自動運転サービス」の実証事業をウィルと帝人が開始
ウィル(本社:東京都品川区)と帝人(本社:大阪市北区)は2023年4月13日、主に医療機関などにおいて患者の負担を軽減しながら快適に移動できる「WHILL自動運転サービス」の普及に向けた実証事業を開始することを発表した。
「WHILL自動運転サービス」は、パーソナルモビリティ(1人用の乗り物)に自動運転・自動停止機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」を活用し、施設内の特定の目的地まで自動走行で移動できるサービス。機体は、あらかじめ収集した地図情報とセンサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせながら自動走行し、降車後は無人走行で元の場所に返却される。
医療機関では、施設内のバリアフリー化を進めるなど誰もが利用しやすい施設環境の整備が目指されているが、病院内での移動に身体的・精神的な負担を感じる患者がいる。また、病院内で車椅子を利用する場合、医療従事者が患者に付き添うケースも多い。医療従事者に負荷が生じ、人的資源を診療に集中しづらい課題がある。
このような背景から、さまざまな医療機関において本サービスの活用に取り組んできたウィルと、在宅医療事業や医療・介護多職種連携システム「バイタルリンク」などの地域包括ケア関連サービスを展開する帝人が協業。主に医療機関などに向けて、本サービスの普及を目指した実証事業を開始するに至った。患者の移動負担と医療従事者の業務負荷を軽減することで医療サービス向上を目指すという。
両社は2024年3月末までの本実証事業の中で、患者の満足度調査や本サービスを用いたことによる医療従事者の診療への集中化の検証を進めていくとしている。