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三菱重工、CO2回収技術ライセンス供与に関する協業契約をイタリア・サイペム社と締結

~欧州・中東を中心にプロジェクトパートナー獲得でCCUSグローバル戦略を推進~

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三菱重工、CO2回収技術ライセンス供与に関する協業契約をイタリア・サイペム社と締結

三菱重工は4月27日、関西電力と共同開発したCO2回収技術について、イタリアのサイペム社と包括ライセンス契約(GLA:General License Agreement)を締結したと発表した。

サイペム社は、石油・ガスを中心としたプラントの設計・調達・建設・プロジェクト管理などを行うエンジニアリング会社で、70カ国以上に拠点を持つ。三菱重工とは同社が有する尿素技術において長年協力関係にあり、これまで世界規模の肥料プラントを建設してきた。今回の二酸化炭素回収・貯留(CCUS)における協業も、両社の強みを生かしたプラント建設遂行体制を実現するものだとしている。

今回の戦略的提携の狙いは、今後さらなる需要の高まりが予想される欧州・中東を中心とする地域でCO2回収プラントを拡販し、数多くのプロジェクト対応を可能にすることで世界のCCUS市場創出をリードすることにある。これまで三菱重工が締結してきた世界各国の多様な企業とのパートナーシップと併せ、CCUSグローバル戦略のさらなる推進が期待できるという。

三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成を宣言し、エネルギー供給側の脱炭素化に戦略的に取り組んでいる。多種多様なCO2排出源と貯留・活用をつなげる、CO2エコシステム構築はその柱の1つとしている。グループ内で独自のCO2回収技術を有するエンジニアリング部門は、今年4月に三菱重工に統合された。今後はCCUS事業を強力に推進するとともに、CO2回収ソリューションプロバイダーとして、温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献し環境保護に寄与するソリューションの開発を進めていくという。

同グループのCO2回収技術について

同グループは、1990年から関西電力と共同でCO2回収技術「KM CDR Process」や「Advanced KM CDR Process」の開発に取り組んでいる。

KM CDR Processを用いたプラントを15基納入しており、さらに3基を建設している(2023年4月現在)。また、Advanced KM CDR Procesには、これまで納入した商用のCO2回収プラント15基全てで採用されているアミン吸収液KS-1に技術改良を加えたKS-21が採用されている。KS-21は、KS-1と比べて再生効率に優れ劣化も少ないといった特長を持ち、優れた省エネルギー性能と運用コストの低減および低いアミンエミッションが確認されている。

CO2回収技術|三菱重工グループ

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