シャシハーネスのコネクタ端子設計に誤り。いすゞ「ギガ」約1,500台をリコール
いすゞ自動車は、リターダハーネスへ接続するシャシハーネスのコネクタ端子の設計に誤りがあり、不適切な端子配列になっていることで、最悪の場合、走行不能に至るおそれがあるとして、2023年6月8日、国土交通省にリコールを届け出た。リコール台数は、2016年4月20日~2022年12月12日に製造された1,505台。
今回リコールの対象となるのは、2016年4月20日~2022年12月12日に製造された1,505台に加え、車両製造後、修理で対象となる部品が組付けられたギガ計13台。さらに、2018年8月1日~2022年9月28日に交換修理用部品として出荷し、組付けられた車両が特定できない計6個のリターダ。
不具合の箇所は、電気装置(シャシハーネス)。リアアクスルに備えられたエア圧により作動する永久磁石式リターダ(補助ブレーキ)において、リターダハーネスへ接続するシャシハーネスのコネクタ端子の設計に誤りがあり、不適切な端子配列になっているため、温度センサに過電流が流れ、内部回路が断線することがある。
そのため、リターダの温度上昇に係る保護機能が作動せず、エア圧を保つシリンダ内部のゴム部品が損傷してしまうことでエア圧が保てなくなり、マグネチックバルブからエア漏れが発生する。そのまま使用を続けると、エア圧低下により警告灯が点灯するとともに警報が鳴り、最悪の場合、同一エアタンクのエア圧を用いるクラッチアシスト機能が停止することで変速ができず、走行不能に至るおそれがあるとのこと。
これまでに不具合が17件発生、事故は発生していない。市場からの情報により発覚、リコールを届け出た。改善措置として、全車両のシャシハーネスとリターダハーネスの間に適切な端子配列に修正するための変換用ハーネスを追加するとともに、温度センサを点検を実施。損傷が認められたものは温度センサを新品に交換する。また、エア漏れが認められた場合には、シリンダ、マグネチックバルブ等を新品に交換する。
使用者には直接訪問またはダイレクトメールで通知するとともに、日整連発行の機関誌・自社ホームページに掲載するという。