【フォーミュラE】サステナビリティとエンターテインメントを融合した次世代のモータースポーツ
モータースポーツテクノロジー Vol. 1
これまでに「音の出ない競走車」というジャンルが存在しただろうか。電気のF1とも呼び称されるフォーミュラEは当初、意義に疑問を抱かれることも少なくなかったものの、市販電動車の普及に伴い認知と理解を得られるようになった。現在はすでに9シーズン目を迎える。この不思議な次世代モータースポーツについて、あらためてその特徴を掘り下げてみよう。
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モータースポーツの電動化
モータースポーツの世界にも、電動化の波は着実にやってきている。2014年から始まったフォーミュラE(FE)は、今や世界選手権としてFIA(世界自動車連盟)公認のシリーズである。F1(フォーミュラ1)やWRC(世界ラリー選手権)、WEC(世界耐久選手権)などと並ぶ、レースの世界的カテゴリーに成長した。
F1を含め、モータースポーツにおいてもパワーユニットの電動化は進んでいる。しかしながら、それらはICE(内燃機関)に電気駆動を組み合わせたハイブリッドが一般的である。一方、FEは