チューリングが自動運転に関する特許を出願、人間と同等以上の判断・交渉ができるAIの開発目指す
完全自動運転EVの開発・販売に取り組むTuring(チューリング)は、「軽量モデルと大規模モデルを組合せて素早い車両制御と複雑な状況判断を両立した自動運転を実現する仕組み」と「言語モデルを用いた自動運転入出力システム」に関する特許を2件同時に出願した。
出願された特許の概要は以下の通り。
■軽量モデルと大規模モデルを組合せて素早い車両制御と複雑な状況判断を両立した自動運転を実現する仕組み
発明の名称
情報処理装置及びプログラム
背景・概要
完全自動運転を実現するためには、素早い車両制御と複雑な状況の理解や解釈を両立する必要がある。この出願では「総合的な認知・意思決定を行う大規模モデルであり、人の自然言語指示や背景知識に基づき総合的な判断を行うモデル」と「センサを中心とした認知・推論を行う軽量(高速)なモデル」を組み合わせることで、後者が前者の指示に従い車両を運行することで自動運転の実現に導く。
ラリーカーレースなどで運転ルートや道路形状に関する情報を伝える「Navigator(大規模モデル)」と実際に運転する「Driver(軽量モデル)」を模していることから、同社はこれを「Navigator-Driverモデル」と呼んでいる。
■言語モデルを用いた自動運転入出力システム
発明の名称
情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
背景・概要
車自身が車載カメラから取得した画像をリアルタイムで解析し、自然言語を通じてドライバーに状況の解説や提案などを行う仕組み。
周囲の車がウインカーを点灯させたのを見て、その車の進行方向を理解するように、人間は、運転時に目で見た画像から状況や文脈を「言語を通して」理解している。一方、完全自動運転を実現するためには、車が周囲の状況を人間と同等以上に理解する必要がある。
「完全自動運転」の実現へ向け、人間と同等以上の判断や交渉ができるAIの開発を目指す同社にとって、本件はその中でも「言語を通じて状況を描写する」という重要な要素技術となる。
チューリングは、今後も基礎技術の研究からプロダクトへの実装まで幅広い技術投資を行う予定。継続して特許戦略を強化していく。