複数のシステム&先進安全運転支援システムが停止するおそれ。マツダ「CX-60」753台をリコール
マツダは、車両組立工程の組付け作業が不適切であることにより、ABS警告灯およびTCS/DSC表示灯が点灯し、EPB表示灯が点滅すると共に、ABS、TCS、DSCおよびEPBの作動が停止、さらに先進安全運転支援システムも停止するおそれがあるとして、2023年6月15日、国土交通省にリコールを届け出た。リコール台数は、2022年11月18日~2022年12月16日に製造された753台。
不具合の箇所は制動装置(フロントABSセンサ)。フロントABSセンサにおいて、車両組立工程の組付け作業が不適切なため、ステアリングナックルにハーネスを固定するブラケットを締結するボルトが規定トルクで締め付けられていないものがある。
そのため、そのまま使用を続けるとボルトが外れ、最悪の場合、ハーネスがタイヤ等に干渉することで損傷。さらに、ABS警告灯およびTCS/DSC表示灯が点灯、EPB表示灯が点滅すると共に、ABS(※1)、TCS(※2)、DSC(※3)およびEPB(※4)の作動が停止し、さらに先進安全運転支援システムも停止するおそれがあるとのこと。
これまでに不具合、事故ともに発生していない。社内からの情報により発覚、リコールを届け出た。改善措置として、全車両の当該ボルトの状態を点検し、規定トルクで締付けを行う。また、ボルトが脱落していた場合は、フロントABSセンサ一式を新品と交換し、新品のボルトを取付ける。
また、使用者には、電話やダイレクトメールで通知、もしくは、車両のセンターディスプレイ画面へのメッセージ表示で通知するという。また、日整連発行の機関誌・自社ホームページにも掲載するとのこと。
※1:アンチロックブレーキシステム:滑り易い路面での制動時に起こる車輪のロックを防いで車の方向安定性を保ち、操縦性を確保するシステム
※2:トラクションコントロールシステム:水にぬれた路面や雪道等の滑り易い路面での発進や旋回加速時に起こる駆動輪の空転を防ぎ、適切な駆動力と操縦性を確保するシステム
※3:ダイナミック・スタビリティ・コントロール:滑り易い路面での走行時や、緊急回避など急激なハンドル操作による車両の横すべりを抑えるため、ABSやTCS等によりブレーキやエンジンの出力を自動的に制御し、車両の安定性を確保するシステム
※4:電動パーキングブレーキ:モーターでパーキングブレーキをかけるシステム