2次電源のバッテリが充電されないトラブル。メルセデス・ベンツ「S500 4MATIC」など5車種3,957台をリコール
メルセデス・ベンツは、電圧変換器の制御プログラムが不適切なため2次電源のバッテリが充電されず、そのまま運転を続けると最悪の場合、フェイルセーフモードになるおそれがあるとして、2023年6月22日、国土交通省にリコールを届け出た。リコール台数は、2020年7月19日~2022年10月9日に輸入された3,957台。
今回リコールの対象となるのは、2020年7月19日~2022年10月9日に輸入された、以下の5車種3,957台。
・メルセデス・ベンツ S400d 4MATIC / S500 4MATIC / S580 4MATIC / メルセデス・マイバッハ S580 4MATIC / メルセデス・マイバッハ S680 4MATIC
不具合の箇所は電気装置(電圧変換器)。電圧変換器において、制御プログラムが不適切なため、故障診断機(スキャンツール)を接続中に一時的な通信障害がサーバと故障診断機の間に発生すると、電源変圧器に故障が発生していると判断、一次電源と二次電源の回路を遮断し、二次電源に電源が供給されなくなる。
そのため、二次電源のバッテリが充電されず、バッテリ上がりに至ることでESPとABSの警告灯が点灯して機能が停止し、制動性能が損なわれる。そのまま運転を続けると、最悪の場合、出力を低下させたフェイルセーフモードになるおそれがあるとのこと。
これまでに不具合は5件発生しているが、事故は起きていない。ドイツ本社からの情報により発覚、リコールを届け出た。改善措置として、全車両の電圧変換器の制御プログラムを対策プログラムに書き換える。また、使用者にはダイレクトメールで通知し、日整連発行の機関誌・自社ホームページに掲載するという。