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BMWの水素燃料電池車「iX5 Hydrogen」にギャレットの次世代電動コンプレッサー技術が搭載

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BMWの水素燃料電池車「iX5 Hydrogen」にギャレットの次世代電動コンプレッサー技術が搭載

瑞ギャレットモーションは6月16日、同社の次世代水素燃料電池ドライブトレインがBMWの水素燃料電池車「BMW iX5 Hydrogen」で試験運用されると発表した。

今回試験運用されるのは、ギャレットの新世代水素燃料電池電気自動車用モジュラー式燃料電池コンプレッサー(FCC)を搭載した第2世代の水素燃料電池ドライブトレイン。

同社の燃料電池電気自動車用電動空気コンプレッサーは、BMW iX5 Hydrogenの燃料電池システムの主要技術。開発段階では、BMW iX5 Hydrogenおよび燃料電池電動コンプレッサーとそのインバータを含む主要部品について、過酷な温度、湿度、振動レベルに対する試験を行った。

同社副社長兼最高技術責任者のCraig Balis氏は「過去4年にわたってBMWグループと緊密に協力し、彼らの正確なニーズに合わせた高度な水素燃料電池コンプレッサーを開発してきた。この取り組みは、2023年後半に行われる詳細な実走行試験で完結する予定だ」と述べている。

ギャレットの電動燃料電池コンプレッサーを搭載したBMW iX5 Hydrogen
ギャレットの電動燃料電池コンプレッサーを搭載したBMW iX5 Hydrogen

水素燃料電池電気自動車は、テールパイプ排出量がゼロであり、バッテリーではなく高圧タンクに水素としてエネルギーが貯蔵される完全に電化されたパワートレインを活用している。燃料電池は、燃料電池スタックに供給された空気中の水素と酸素を電気化学的に反応させることで、電気モーターに必要な電力を発電。この反応を効率よく行い、最大限の出力を得るために、燃料電池スタックには必要に応じて最適な空気流量と圧力が供給される。

同社の電動燃料電池コンプレッサーは、燃料電池システムの出力密度と出力を最適化するために必要な空気流を効率的に供給。非常にコンパクトなパッケージで、車両の寿命にわたって燃料電池スタックの効率と耐久性を最大化する。

特にこの用途では、燃料電池スタックの出口から廃棄エネルギーを回収するように設計された新しいタービンエキスパンダーにより、これまでの燃料電池コンプレッサーと比べて、空気圧縮のための電力消費量を最大20%削減できるというのが特長。

回転数は、業界の標準速度を超える15万rpm以上で動作。これには、同社のターボ・エアロダイナミクスの専門知識を生かされているという。

乗用車と商用車の両方の水素駆動式電動パワートレイン、そして産業用途の水素駆動式電動パワートレインに適合するように構成できる。400ボルトおよび800ボルトの電動燃料電池コンプレッサーは高度な特許取得済みのオイルレスフォイルベアリングを搭載しており、コンタミネーションを回避することで、卓越した効率と騒音性能を実現している。

水素燃料電池コンプレッサー技術の詳細|ギャレット

「ギャレットモーションジャパン」公式サイト

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