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三菱電機、産業用フルSiCパワー半導体モジュールNXタイプのサンプル提供を開始

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三菱電機、産業用フルSiCパワー半導体モジュールNXタイプのサンプル提供を開始

三菱電機は6月14日、パワー半導体の新製品として、パッケージの内部インダクタンスを低減し、第二世代SiC(※1)チップを搭載した「産業用フルSiCパワー半導体モジュールNXタイプ」のサンプル提供を開始した。

近年、脱炭素社会の実現に貢献するキーデバイスとして、電力を効率よく変換するパワー半導体の需要が拡大・多様化し、なかでも電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体への期待が高まっている。特に、産業用のパワー半導体モジュールは、インバーターなどの電力変換機器に使用されるなど、さらなる電力変換効率の向上を実現する高効率な製品が求められており、同社は、2010年からSiCチップを搭載したモジュール製品を市場投入していた。

6月14日よりサンプル提供を開始したのが、パッケージ内の電極構造の最適化により、内部インダクタンスを従来比で約47%低減(※2)した9nH(※3)を実現するとともに、第二世代SiCチップを搭載した「産業用フルSiCパワー半導体モジュールNXタイプ」。SiCチップの低損失特性に加え、内部インダクタンス低減により、さらなる電力損失の低減が可能となり、産業用機器の高効率化、小型・軽量化に貢献する。

今回の製品は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究の成果の一部を活用している。

※1:Silicon Carbide(炭化ケイ素)
※2:同社指定条件による測定。Siチップを使用したIGBTモジュールTシリーズNXタイプ。CM600DX-34T(1700V/600A)との比較
※3:ナノヘンリー。インダクタンスの大きさを表す単位

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