ヤマハ発動機、自動運転モビリティの実証実験で磁気マーカシステムによる高精度な自動走行を確認
ヤマハ発動機は7月3日、自動運転モビリティの実証実験において、愛知製鋼によるシステム開発協力のもと磁気マーカシステム(GMPS※)による高精度な自動走行を確認したことを発表した。
この実証実験は、2022年8月に高知県四万十市「西土佐地域自動運転モビリティ実証実験企画会議」とともに行ったもの。
自動走行を行った西土佐地域は、山に囲まれた地域のうえ、走行ルートに木々や建物など遮蔽物も多く、衛星測位システムが不安定な環境だったため、衛星測位システムを用いない磁気マーカシステムを採用した。
愛知製鋼によるシステム開発協力のもと、片道約1kmの走行ルートに約1,000個の磁気マーカを埋設し、車両側には磁気センサモジュールを搭載。シンプルなシステム構成で正確に車両の位置を推定できる磁気マーカシステム搭載の低速車両での走行を実施した。
その結果、目標とする走行経路に対して、自動走行の安定性(精度±10cm)を確認。車両システム起因での走行経路からの逸脱もなく、車両位置検出における外乱からの影響にも強いことが検証された。
ヤマハ発動機は、低速車両をベースとした自動走行に使われてきた電磁誘導システム、LiDARシステム、衛星測位システム(GNSS)に、磁気マーカシステムが加わったことで、さまざまな環境に合わせた自動走行システムの選択肢がさらに広がったとしている。
※ 磁気マーカシステム(GMPS)
GMPS...Global Magnetic Positioning Systemの略。車両底部に取り付けた磁気センサモジュールが、走路に敷設した磁気マーカの微弱な磁力を検出し、自車位置を高精度に推定する自動運転支援システム。