高いアイス性能と耐摩耗性能を両立。トーヨータイヤ、トラック・バス用スタッドレスタイヤ「M939」発売
M939は、高いアイス性能と耐摩耗性能を両立し、低メンテナンス性を向上したスタッドレスタイヤ。日本国内における昨今の気象の特長やトラック・バス業界を取り巻く社会課題を踏まえて開発された。
国土交通省の調査(※1)によると、近年では1日あたりの降雪量が増加傾向にあり、短時間で大雪に見舞われる事例が多くなっている。昼夜を問わず全国各地を走行するトラック・バスのスタッドレスタイヤは、深雪や凍結した路面を捉える性能の強化が必要になる。一方、年間の累計降雪量は減少傾向にあり、積雪の無いアスファルト路面での走行が増えることから、摩耗ライフの向上による使用期間の長期化も求められている。
運輸・運送業界では、トラックドライバーや整備士などの確保が慢性的な課題となっており、2024年4月から施行予定の働き方改革関連法のもと、ドライバーの時間外労働時間の上限が引き下げられることから、車両メンテナンスにかける時間、費用、人員の効率化に向けた取り組みが進んでいる。これに伴い、タイヤについても交換やローテーション頻度の極小化に対するニーズが高まっている。
同タイヤは、トレッド面のブロック内にサイプ(※2)を高密度に配置し、アイス路面でのグリップ力を確保。大型のブロックを周方向に連結させることで路面接地時にブロックが過度に動かないようにし、偏摩耗の発生を抑制した。これによって、推定摩耗ライフは当社従来品(M929)比で7%向上、偏摩耗の発生を同45%低減した。積雪の無いアスファルト路面での走行も考慮し、転がり抵抗の低減も実現している。


発売サイズは、17.5インチから22.5インチの全13サイズ。価格はオープン。

※1: 国土交通省 第7回冬期道路交通確保対策検討委員会(2022年12月13日)資料より
※2:トレッド面に刻まれた細かい溝