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トヨタ「センチュリー」にAGCの調光ガラスが採用。サイドウィンドウ向けは世界初

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トヨタ「センチュリー」にAGCの調光ガラスが採用。サイドウィンドウ向けは世界初

AGCは9月8日、自動車向けの調光ガラス「Digital Curtain」(デジタルカーテン)が、トヨタ自動車の新型「センチュリー」の後部座席のドアガラスに採用されたと発表した。調光ガラスの車ドア部位への採用は、世界で初めて。(※)

自動車用ガラスに求められる機能が高度化・多様化する中、サイドウィンドウの特徴である開口部の広さを生かすためには、調光フィルム内の液晶の保護に必要な外周封止の幅を極力薄くするという課題あった。そのため、これまで調光ガラスは、パノラマルーフなど開閉しない部位に採用されていた。

今回採用されたデジタルカーテンは、自動車向けの調光ガラスで、長期間の風雨や太陽光に耐えられる化学耐久性に加え、開閉や昇降などの機械的耐久性も実現。窓ガラス周辺の黒セラミックデザインを可能な限り細くすっきりと造ることで、センチュリーに相応しいドアデザインとして評価され、世界初となる調光ガラスの後部ドア部位への採用に至った。

同製品は、2枚のガラスの間に特殊なフィルムを挟み込む合わせガラスの構造になっており、調光モード(不透明な状態)では日差しの暑さ・眩しさを和らげるとともにプライバシーを確保し、透過モード(クリアな状態)では開放感を楽しむことができる。

調光モード(スイッチオフの不透明な状態)
調光モード(スイッチオフの不透明な状態)
透過モード(スイッチオンのクリアな状態)
透過モード(スイッチオンのクリアな状態)

フィルムは、凸版印刷の液晶調光フィルム「LC MAGIC(エルシーマジック)」を採用。凸版印刷が、自動車のサイドウィンドウ用途に適合するよう液晶や電極の見直しを行って開発したもので、外周封止の技術(厚み・幅・塗布自動化など封止材塗布条件の最適化)を改良した。

フィルム中の特殊材料の分散と配向を電圧でコントロールすることで、調光モード・透過モードを瞬時に切り替え可能。ヘイズ(濁度)透明時は3%、不透明時は99%を実現。ノンストレスで瞬時に切り替えができることで、車内居住空間の快適性向上を可能にしている。

調光モードは、特殊材料がランダムに並んでいるため、外からの光が散乱し、 ガラスは不透明になり、眩しさ・暑さを低減し、プライバシーも確保。透過モードは、フィルム内に電圧を加え、特殊材料を同じ向きに整列させることでガラスは透明になり、外からの光が透過するという仕組み。

調光モード
調光モード
透過モード
透過モード

調光モード、透過モードのどちらの場合も紫外線を約99%カット(ISO9050基準)する。

新型センチュリーは2023年中に発売される予定。

※:同社調べ。ドア部位に合わせガラス仕様の調光ガラスが採用されることは世界初。

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