日産、アトラスをフルモデルチェンジ。プリクラッシュブレーキを全車標準装備
日産自動車は9月25日、「アトラス」をフルモデルチェンジし、2.0tクラス(最大積載量2t~4.6t)の2WD車を10月27日より発売すると発表した。
アトラスは、いすゞ自動車の「エルフ」をベースに、日産の車種としていすゞより生産供給されている商用トラック。「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」「ビークルダイナミクスコントロール(VDC)」「車線逸脱警報(LDW)」などの先進安全技術を全車標準搭載している。
今回のフルモデルチェンジでは、エクステリアを躍動感あるフロントデザインへと一新し、先進技術、運転支援技術の充実を図った。
新型モデルは安全性が向上。日産車として初めて、交差点での右左折時に衝突が避けられないと判断した際にブレーキ操作を行う「プリクラッシュブレーキ(PCB)」(※1)を全車標準装備。また、日産商用車として初めて、「全車速車間クルーズ(FACC)」(※2)と「レーンキープアシスト(LKA)」をオプション選択可能となった。
専用カメラでドライバーの状態を検知する「ドライバーステータスモニター(DSM)」と、異常時に車両の制御から停止まで行う「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」をオプション選択することで、ドライバー自身を守るとともに重大事故発生の抑制に貢献する。
エクステリアは、キャビンの外観と構造を一新し、居住性や乗降性を向上。ヘッドランプには可変配光型LEDヘッドランプを標準採用し(※3)、特徴的なシグネチャーランプの形状にした。ウインカーや灯火器類もLED化し、夜間の視認性を向上するとともに、ランプの長寿命化にも貢献している。
ボディカラーにはカスタムグレード専用色として、上級感のあるダークカーキメタリックを新たに設定し、合計5色をラインアップする。
インテリアは、新設計のキャビンに合わせたインストルメントパネルを採用し、目的別にスイッチの配置をまとめた。新たに搭載された運転支援機能の操作スイッチや操作頻度の高いスイッチ類はステアリングに配置し、インストルメントパネルのスイッチ類は、操作性向上のため配置を最適化した。
シートやペダル位置、ステアリングホイールの径・角度・調整幅を見直すことにより、ドライビングポジションを最適化し、さまざまな体格のドライバーに対応。車両前面の視界を向上させるとともに、室内空間の前方・側方の圧迫感を軽減した。オートエアコンを採用し、快適性の向上と省電力化も達成している。
トランスミッションには9段デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を新規に設定。ドライバーの操作に対してトルク抜けがなく適切な駆動力が得られるため、スムースな変速と高い燃費性能を実現した。ATモードでは、勾配判定と走行低減演算が加わり、より最適なギヤを自動判定する。
平ボディ完成車の荷台は、品質向上と軽量化のため、床・アオリの合板材質を、ゴムノキ合板から竹合板に変更。雨水の吸水乾燥による劣化や、雨水浸透による接着剤の劣化を抑えることができるなど、高い劣化耐久性を維持する。市場での二次架装性を考慮し、ダンプ完成車のアオリ高を変更し、二次架装を行っても土砂ダンプとして成立しやすくなった。
価格は、標準キャブのDXグレードで、5速MT車が601万7,000円、9速DCT車が623万1500円。他のラインナップについては順次導入予定。
あわせて、日産モータースポーツ&カスタマイズでは、アトラスの商用特装車「ワークユースビークル」シリーズをベース車と同様にフルモデルチェンジ。10月27日から2.0tクラス2WD車を日産の販売会社を通じて発売し、他のラインアップについても、順次導入を予定している。