日立Astemo、自動運転時の快適性を向上させる6自由度車両姿勢制御技術を開発

6自由度車両姿勢とは、車両走行時における前後左右上下方向の回転および加速度運動のこと。

自動運転車両では、自宅のリビングのような居心地を感じることができる快適さが期待されているが、自動運転車両による走行ではぶつからない運転が最優先されるため、急なハンドル操作や減速などにつながり、それが乗員にとって不快となる揺れや加速度を伴い、乗り物酔いを引き起こすなど、乗り心地の面では課題があった。

同社はこれまで、自動運転車両や先進運転支援技術による走行における不快な揺れや加速度を最小化するための高精度な軌道計画技術である「Dynamics planning（ダイナミクス・プランニング）」を開発してきた。今回はさらに、走行時の車両の姿勢変化により乗員に不快感を与える揺れ抑制する姿勢制御技術を組み合わせ、自動運転車両の旋回や加減速に対し最適な姿勢制御を実現する6自由度車両姿勢制御技術を開発した。

同技術は、乗員ロールモーメントを低減することで乗り心地を向上させるもの。乗員ロールモーメントとは、旋回中に乗員が旋回外側に傾けられる方向に発生する力のことで、例えば、自動運転車両が右に旋回する際、乗員が不快に感じることが無いよう、逆方向にロールさせる車両姿勢を作ることで乗員にかかる加速度を低減する。

同社は、同技術により自動運転車両特有の乗り心地を損なう課題を克服し、快適な乗り心地の実現を目指す。