ダイハツ、認証申請における不正に関する調査結果を公表。国内外全車種を出荷停止

同調査の結果、4月のドアトリム不正、5月のポール側面衝突試験不正に加えて、新たに25の試験項目において174個の不正行為があったことが判明した。

不正行為が確認された車種は、既に生産を終了したものを含めた、64車種・3エンジン（生産・開発中および生産終了車種の合計）。この中には同社ブランドの車種に加え、トヨタ自動車、マツダ、スバルへのOEM供給車種も含まれている。

同調査を受け、ダイハツは同日付で、現在国内外で生産中の全てのダイハツ開発車種の出荷を一旦停止することを決定。今後は国土交通省をはじめ、各国の関係当局に報告・相談を行い、必要な対応を進めていくとした。

ダイハツは、第三者委員会から一部情報提供を受け、不正の恐れのある車種について、社内で技術検証や実車試験などを行い、安全性能・環境性能が法規基準を満たしているか確認した。

調査の最終段階で、ダイハツ「ムーヴ」、スバル「ステラ」、ダイハツ「キャスト」、トヨタ「ピクシスジョイ」、ダイハツ「グランマックス」、トヨタ「タウンエース」、マツダ「ボンゴ」のエアバッグに関する試験において、量産品と同じ「エアバッグ展開コンピューター（ECU）」が使われていなかったという不正が判明。技術検証を行い、エアバッグに関する乗員保護性能に問題はなかったが、検証の中で、「キャスト」「ピクシスジョイ」の側面衝突試験における「乗員救出性に関する安全性能（ドアロック解除）」が法規に適合していない可能性があることも判明した。

現時点で、本件に関係する事故情報は把握していないが、徹底した技術検証と原因究明を実施し、速やかに必要な対応を講じるとしている。

その他の事案については、法規が定める性能基準を満たしていることを確認し、検証結果やプロセスの妥当性についても、第三者認証機関であるテュフ・ラインランド・ジャパンが確認しているとのこと。

ダイハツは、「自動車メーカーとしての根幹を揺るがす事態であると、大変重く受け止めている」とコメントしていて、今後については「第三者委員会の提言も踏まえ、再発防止を徹底し、認証業務の見直しに留まらず、コンプライアンス意識を第一とした企業風土への抜本的な改革に取り組んでいく」としている。