誰が乗っても同じ安定感と安全性を:KW automotiveのサスペンション【東京オートサロン2024】
一般的に「サスペンション」と聞くと、車に詳しい人や走り屋がチューニングするパーツというイメージを持たれがちだ。ところが、KW automotive(以下 KW)では、誰が乗っても安定感と安全性を確保できる製品を取り扱っている。その理由について、営業部部長の中路 一法氏に話を聞いた。
[西ホール2]
TEXT&PHOTO 久保田幹也
楽しく乗れることが最重要項目
KWは今回の東京オートサロンで、サスペンションとホイールの2つで出展をしていた。足回りの主要部分を取り扱う形となっていたが、中路氏曰く「車好きだけに関心を持ってほしいわけではない」という。
一般的に、サスペンションは乗り心地かスポーツ性能かのいずれかに性能が偏る。もっと具体的にいえば、柔らかい乗り心地か硬いフィーリングかは二者択一なのだ。さらにいえば、サスペンションに興味を持つ層というのは、いわゆる車好きやプロがほとんど。初心者が気軽に手を出すのは少し難しい領域であることは確かかもしれない。
中路氏は、「KWは誰が乗っても安全に使えるサスペンションで、初心者からプロまで使えるラインナップがそろっている」と取材で語った。まったくもってその通りで、東京オートサロンの展示ブースには、オーソドックスな形のものから、ダイヤルがついている玄人向けのものまで展示。どちらかに偏らないKWの方向性をしっかりと目にすることができた。
「初心者もプロも楽しく乗れるのが一番。」
そのコンセプトの通り、エントリーモデルはリーズナブルであり、シンプル。初めてサスペンションを触る層も、安心して商品を手に取れるだろう。
ブランドのファンを作るための両立
通常であれば、乗り心地重視かスポーツ専用として売り出したほうがいいのではないか、と考えてしまう。走行性能やフィーリングにダイレクトに関係する部分なだけに、どちらかの顧客を増やしたほうがいい気がするのもよくわかる。
だが、KWはどちらかに偏らない、あくまでも中立の姿勢を貫く。
「私たちは、特定の商品のファンを増やすよりも、ブランドのファンを増やしたい。だから、乗り心地か運動性能かのどちらか一方を取るのではなく、両方を取っていく。」
細かい話をすれば、玄人向けのサスペンションも取り扱いはある。筆者が会場で目にしたものの中には、ダイヤルがいくつもついている変わったものもたしかにあった。ところが、それだけに全力投球はしないという。「お客様が用途に合わせて購入してくれればうれしい」と、中路氏は笑顔で答えた。
商品をファンではなくブランドのファンを作ること。会社が一定の方向に舵を切ることは簡単だが、そうではなくお客様に用途に応じた商品を選んでもらう。そのスタンスが、プロも愛用するサスペンションブランドを作り上げた根源なのではないだろうか。