アウディ、ハンガリー工場でPPE用電気モーター生産開始。Audi Q6 e-tronに搭載
アウディ ジャパンは11月14日、ハンガリーのジェールにある工場でプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)用の電気モーターの生産を開始したと発表した。
PPEは、アウディとポルシェが2017年から共同開発している電気自動車(EV)アーキテクチャー。新開発の電気モーターはPPEをベースとするEV「Audi Q6 e-tron」シリーズに搭載される。同モーターを搭載した車両の生産は年末から開始予定で、準備の一環として、ドイツのインゴルシュタットに独自のバッテリー組立施設を設置した。
ジェール工場ではAudi Q8 e-tronの駆動システムも生産しており、フォルクスワーゲングループのモジュラーエレクトリックドライブツールキット(MEBeco)ベースの車両に使用する電気モーターの生産エリアも現在増設している。
PPE用の電気モーターを生産するために、3つのラインを新設。ステーターの生産ラインには28の作業工程、トランスミッションコンポーネントの生産ラインには15の工程がある。1つのアクスルを組み立てるには190の個別の工程が必要となり、工場では約700名の従業員が生産に従事し、1日あたり最大2,000基のPPE用電気モーターを生産する。同工場では、アウディとポルシェ両方ブランドに部品を供給しており、従来の電気モーター組み立て施設と比較して、生産における垂直統合の範囲が再び拡大された。
ジェール工場での生産は、2020年以降、すでにカーボンニュートラル化されており、ヨーロッパ最大規模の太陽光発電システムを含む、さまざまな環境対策を実施している。同工場は、産業用地熱エネルギーを使用しているハンガリー最大の工場でもあり、アウディは輸送・物流会社のDB Cargoと協力して、ジェールからインゴルシュタットまでのPPE用の電気モーターの輸送も、カーボンニュートラルな方法を採用する。
同社によると、アウディ ハンガリーは設立以来、約120億ユーロを投資しており、これはハンガリーの産業界における最大級の投資額の1つとなっているという。