豊田自動織機、エンジン試験不正で是正命令と3機種の型式指定取り消しへ

1月29日に同社から受けた型式指定申請における不正行為の報告を踏まえ、国土交通省は、不正行為の事実関係等の確認のため、同月30日から2月13日の間、同社並びに同社から自動車用エンジンの供給を受けているトヨタ自動車と日野自動車に対して立入検査を実施した。

その結果、豊田自動織機より報告があった、産業機械用の現行エンジンの全機種（5機種）および自動車用の現行エンジン3機種で不正行為の事実を確認した。今回の調査において、新たな不正行為や、トヨタおよび日野による不正行為への関与は認められなかった。

フォークリフト等用エンジン2機種（型式：4Y、1FS）と建設機械用エンジン1機種（型式：1KD）については、特に悪質な不正行為が行われたと認められ、型式指定を取り消すこととし、関係法令の規定に基づく手続きを開始した。産業機械用の現行エンジンのうち残り2機種については、昨年4月26日に型式指定を取り消されており、産業機械用の現行エンジン5機種の全てが型式指定を取り消されることになる。

今後は、基準適合との報告があった産業機械用の現行エンジン2機種および自動車用の現行エンジン3機種について、国が基準適合性等の確認を速やかに行い、その結果を順次公表する。

豊田自動織機に対し、二度とこうした不正行為を起こさない体制への抜本的な改革を促すべく、道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を発出。同社に対し、1カ月以内に再発防止策を報告し、その後四半期毎に再発防止策の実施状況を報告するよう求めた。是正命令は、2022年9月の日野自動車、2024年1月のダイハツ工業に続き3例目となる。

国土交通省は、他の自動車メーカー等に対し、型式指定申請における不正行為の有無等について調査し、4月末までに報告するよう指示を行っており、その結果を踏まえて必要な対応を行う方針。

ダイハツ工業および豊田自動織機における再発防止策等を踏まえ、有識者等からなる検討会を設置し、近年の不正事案に対応するための型式指定に係る要件の強化等について検討を行う。