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成田空港、貨物エリアにEV普通充電器を初導入。インフラ拡大に向けた実証も

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成田空港、貨物エリアにEV普通充電器を初導入。インフラ拡大に向けた実証も

成田国際空港は2月8日、貨物ターミナル地区構内にEV普通充電器2基を設置し、同時にEV充電器の導入拡大に向けた実証試験および検証を開始したと発表した。貨物地区にEV普通充電器を設置するのは初めて。

同社は、サステナブルNRT2050で掲げる車両のゼロカーボン化に向けた電気自動車(EV)の導入を推進しており、温室効果ガスの排出量が多いトラックのEV化を検討してきた。今回、積極的なEVトラック導入に取り組んでいるDHLジャパンと連携し、6kWタイプの専用EV普通充電器2基を貨物ターミナル地区構内に設置し、同日より供用開始する。

検証は、デンソーおよびデンソーソリューションと連携して行う。EV充電器のインフラ拡大に向けて、個人認証や電力マネジメント等の課題解決を図ることを目的として実施する。

詳しい検証内容は以下の通り:

<個人認証の実証>
・充電器の利用申し込みにより、事前登録した特定のユーザーだけが使用可能なシステムの構築。​
・今後のEV充電器の利便性向上に向けて、共用の充電器として設置した際、充電器のユーザーと空港内の契約ユーザーを特定し、不正使用を防止するためのシステムを構築。
・QR読み込みによる認証、専用カードによる認証など、空港に適した手法を実証。

<計測機能の検証>
・いつ、誰が、どの充電器で、どれだけの電力を充電したかを把握するシステムの検証。
・充電した時間に対する時間課金ではなく、電力量に対する従量課金による料金設定を行うために、個人認証との連携システムを構築。​
・電力マネジメントや車種等の違いにより、充電器の出力は一律ではないため、EV充電器を使用している時間が同じでも、充電される電力量に差が生じることから、検証を経て機器を実装することで、充電量に応じた料金設定が可能となる。

<電力マネジメントの検証>
・多数の普通充電器を整備した際、電気設備を効率的に利用しながらEV充電を可能とするシステムの構築。​
・車両の充電残量に応じた出力制御、充電の開始順に応じた出力制御など、最適なマネジメント方法を検証。
・充電器の整備にあたり、電力マネジメントシステムを導入することで、既存の電気設備の大規模改修が不要となるため、必要な電気設備に関する投資を抑制することができる。

成田国際空港のEV導入促進策としては、2023年12月15日に供用開始した第1ターミナルP1立体駐車場内の超急速充電サービス(パワーエックス)に続く取り組みとなる。

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