ダイヤモンドエレクトリックHD、ステランティスのV2G実証実験に車載充電器を提供
自動車の部品や電子機器の部品などを製造するダイヤモンドエレクトリックホールディングスは11月27日、ステランティスが参画するV2G AC実証実験に向け、自社で開発したV2X対応車載充電器(OBC)を提供したと発表した。
V2Gとは、電気自動車を蓄電池として活用し、電力会社の電力系統に接続し相互に利用する技術を指す。再生エネルギーを安定して供給するためには、太陽光発電などによって生まれた電力を電気自動車に蓄電し、太陽光発電を利用できない夜間などには電気自動車から電力会社の電力網に供給できるようにするシステムが求められ、自動車メーカー各社が実証実験を重ねている。
今回の実証実験では、同社開発のV2X対応OBCを搭載したステランティス製の電気自動車(xEV)をカリフォルニア州に設置し、同車両の充放電を通じてV2X ACの実効性を検証する。
V2XシステムにはxEVが交流(AC)で直接充放電するV2X ACと、住宅に設置する充電設備(EVSE)が交流直流の電力変換をし、EVSEがACで充放電するV2X DCがある。V2X ACの場合、車に搭載されるOBCが交流直流変換を行い、OBCが充放電を行う。
カリフォルニア州はxEV普及に向け、米国内でいち早くV2Xに関連するロードマップを掲げ、V2Xを必須とする法案も審議している。その中で、カリフォルニア州はV2X DCに加え、トータルコストが安価と試算されるV2X ACへの投資も行っている。
V2X ACでは移動体であるxEV特有の規制や規格開発が必要となる。米国はV2X ACに関わる規制や規格開発で先行しており、同実証実験ではこれらの促進と検証を行うほか、同社が世界に先駆けて開発したIEEE 1547-2018準拠のV2X対応OBCの評価・検証も行う。あわせて、災害による停電が相次ぐ米国で注目されている停電時にxEVから家をバックアップするV2Hの評価も行う。
同社は、同実証実験への参加を通じて、V2X ACだけでなく、V2X DCも含めたV2Xエコシステムに対する規格、規制、市場動向をいち早く把握し、製品開発に反映していくするとしている。