デンソーやリバーら16者、自動車リサイクル拡大に向け解体プロセス技術検証開始

水平サイクルとは、使用済み製品を資源にして、同じ製品に利用するリサイクルシステムのこと。自動車部品解体プロセスにおいて、資源を加工して製品などを生産する「動脈産業」と、使い終わった製品を集め、再販売、再加工などを通して、再び社会に流通させる「静脈産業」を一体化させる技術実証を行う。

デンソー、リバー、DIC、UACJ、金城産業、九州メタル産業、住友化学、大同特殊鋼、東レ、豊田合成、トヨタ紡織、野村総合研究所、古河電気工業、マテック、三井化学、早稲田大学など16者が同実証に参画。

ELV解体・破砕事業者、解体システム提供者、素材メーカー、自動車部品メーカー、研究機関などが連携し、質と量の確保の両立する新たなELVの処理手法である「自動精緻解体プロセス」を起点とした、動静脈一体となったプロセスの技術実証を通じて、動静脈一体のエコシステムの社会実装における課題を抽出する。

現在世界ではELVを破砕し、材料ごとに選別して再生材を作り出す手法を取っていることが多く、高純度の再生材に向けた材料選別が極めて難しいため、水平サイクル率が低い状況にある。これまで動静脈の連携が十分ではなかったことから、高い品質が求められる自動車部品の材料として再生材を用いるための取り組みが進んでいなかったという。ELVの解体・破砕を担う業界においては、深刻な労働力不足への対応や、安全・安心で快適な労働環境の整備などが課題となっている。

同実証では、これらの課題解決とともに、再生材の質と量の確保にもつながるELVの新たな処理手法への転換を目指す。

申請法人・共同実施者および主な役割

【自動車および自動車部品の精緻解体、解体データの取得】
リバー（共同代表）、金城産業、九州メタル産業、マテック

【自動車部品解体システムの開発】
デンソー（申請法人・共同代表）

【解体で抽出された素材の高純度化】
早稲田大学 所千晴研究室

【自動車部品用の品質に適合させる再資源化プロセスの開発と再生材の評価】
DIC、UACJ、住友化学、大同特殊鋼、東レ、古河電気工業、三井化学 など

【再生材を用いた自動車部品評価】
豊田合成、トヨタ紡織

【プロジェクトマネジメントおよび、CO2排出量削減効果の評価支援】
野村総合研究所