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実現可能性が不透明なカーボンニュートラル化にどう向き合うべきか

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実現可能性が不透明なカーボンニュートラル化にどう向き合うべきか

2019年末、新型コロナウイルス感染症の度重なる世界的流行により、多くの企業が大きな影響を受けてきた。

それと同時にリモートワークの普及など、行動様式も大きく変化し、本質的なDXの必要性が改めて認識されたことは記憶に新しい。

このような世界的潮流の中で、DXと並んで脚光を浴びているのが、世界的な脱炭素もしくはカーボンニュートラル(炭素中立)化のトレンドだ。

ILLUSTRATION:Shutterstock

世界が熱い視線を送る潮流

デジタル化のトレンドとは異なり、カーボンニュートラル化への関心は今回の新型コロナショックを機に新たに生まれたものではない。

「気候変動に関する国際連合枠組条約(国連気候変動枠組条約)」の締約国会議(COP)の場で過去数十年にわたり、気候変動対策の観点から議論や取り組みが続けられてきたものだ。

実際に自動車産業界では各国がこの流れを受けて、それぞれに強化した燃費規制への対応などをはじめとして脱炭素に向けた漸進的な取り組みを継続してきた。

2015年にドイツを起点に発生したディーゼルゲート事件は、内燃機関(ICE、特にディーゼルエンジン)に対する各種規制に拍車をかけ、欧州を中心に規制強化の動きをさらに強固なものとした。

中国では個別の産業政策の一環として、自国の自動車産業の国際的競争力を高めるためにEVの普及を強く推進した。

欧州、中国のみならず、気候変動対策を人類共通の大義と位置付け、特定の産業に閉じない形で「特定年次までのカーボンニュートラル化の実現」という方向性が浸透。各国地域全体の野心的な社会・産業目標として掲げられた。

その上でバックキャスティングの形式を取り、各関連産業の産業構造変化を促進し、新規制の高い産業や成長機会を生み出すという非常に大掛かりな枠組みとして認識されビジネスが加速、各国各社のせめぎ合いが始まる。

マクロからミクロまで参画するトレンドとしての流れ

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