沖縄県豊見城市、第一交通らと自動運転バスに関する包括連携協定を締結。2024年度中の実証開始目指す
沖縄県豊見城市、第一交通産業、電脳交通、ティアフォー、日本電気の5者は5月28日、豊見城市における交通課題の解決に向けた自動運転バスに関する包括連携協定を締結したと発表した。
現在、少子高齢化に伴う運転手不足により全国的にバス路線が減少し、地域公共交通の利便性確保が課題となっている。豊見城市では、交通基本計画の中で「誰もが使いやすい公共交通ネットワークの形成」を基本方針の1つとして掲げており、学生や高齢者等の公共交通手段の確保や、公共交通の利便性向上による地域活性化に取り組んでいる。
サステナブルな地域交通の実現に向け、各地で自動運転バス等のモビリティ技術活用の検討が進んでおり、第一交通、電脳交通、NECは2024年3月に自動運転技術における業務提携に関する基本合意書を締結。
さらに今回、豊見城市、第一交通、電脳交通、NECと、自動運転バス車両および自動運転に関連する技術を有するティアフォーは、豊見城市における自動運転バスのレベル4運行実現に向け包括連携協定を締結した。
5者の連携により、現在運行する豊見城市市内一周バスにおいて自動運転バスのレベル4による運行を実現し、豊見城市における公共交通手段の確保や、公共交通の利便性向上による地域活性化を目指す。
今後は、自動運転サービスの実装に向けて2024年度の国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業」へ申請準備を進め、2024年度内に豊見城市市内一周バス(105番)の一部を自動運転バスで運行する実証実験を行う予定。
使用予定車両は、ティアフォーの自動運転バス車両「TIERⅣ Minibus」。運行ルートは、豊崎美らSUNビーチ前~道の駅豊崎~アウトレットモールあしびなー前~豊見城市役所前~総合公園前~豊見城南高校前~豊崎美らSUNビーチ前(一部区間に手動走行を含む)を予定している。
豊見城市は自動運転の社会実装に向けた全体総括や地域コミッティ設置運営を、第一交通は自動運転バスの役務提供と将来的な自動運転事業の運営等を担う。そのほか、電脳交通は自動運転車両の遠隔監視者の提供、ティアフォーは自動運転車両およびシステム等自動運転に関する技術情報の提供、NECは全体の事業企画・推進や自動運転サービスプラットフォームの提供等を担当する。
将来的には、運転手不足という課題の解決と同時に、豊見城市の地域住民や観光客に長期的に安全な自動運転バスサービスの提供ができるよう取り組みを進めていく。