三菱電機グループとアイシン、次世代EV部品関連の新会社設立。モーターやインバーターなどを開発
三菱電機、三菱電機モビリティ、アイシンら3社は5月24日、次世代電動化関連製品事業に関する合弁会社の設立に基本合意したと発表した。
新会社では、三菱電機モビリティの一部の事業を引き継ぎ、電気自動車(BEV)や、プラグインハイブリッド車(PHEV)などの次世代電動車に搭載する駆動モーター、電力変換器(インバーター等)およびそれらの制御ソフトウェアを、車両・システム目線で最適化し、これら製品の開発・生産・販売を行う。それぞれの強みを生かして多様化する電動化へのニーズに応えることで、社会全体の課題であるカーボンニュートラルの実現に貢献していく。
三菱電機グループは、パワー半導体、インバーターなどのパワーエレクトロニクス技術、モーター技術、制御最適化技術などに強みがあり、自動車機器事業を担う三菱電機モビリティは、これらの技術を用いてハイブリッド車(PHEV・HEV)を中心とした電動化事業に取り組んでいる。新会社設立により新たなパートナーとのシナジーを発揮し、多様化する電動車システムに対応した製品ラインアップ拡充による成長を目指す。
アイシンは、BEV、PHEV、HEVなどあらゆる電動車の駆動源となる電動ユニットをフルラインアップでそろえ、BluE Nexus(※)を通じて世界中の顧客に提供することで、クルマ全体での電費向上や走りの性能に寄与している。これまで進めてきたフルラインアップでの技術開発構想をベースに、新会社の開発力を活用することで、多様化するニーズにきめ細かく対応し、BluE Nexusを通じて電動ユニットのバリエーションと量の拡大を目指していく。
新会社では、三菱電機モビリティが持つモーター、電力変換器、制御最適化技術を進化させつつ、アイシンが持つインテグレーション(車両適合技術・システム統合技術)の技術力とのシナジー効果を最大化することで、新たな魅力ある製品を提供する。
同合弁会社は、三菱電機モビリティからの会社分割により電動化事業を担う新会社として設立し、最終的には三菱電機グループがマジョリティ株主(三菱電機と三菱電機モビリティによる持分比率:66%)、アイシンがマイノリティ株主(持分比率:34%)となることを想定しているが、同取引の完了は競争当局をはじめとする必要な関係当局の承認・認可の取得を条件とする。
同取引に関する最終契約の締結は6月中旬頃を予定しており、1年以内に稼働開始する。具体的な内容が確定した場合には、その内容について改めて開示する予定。
※2019年にアイシンとデンソーの合弁で設立。電動化のための駆動モジュールの開発、適合、販売を行う。